Write
1 クロエ

死霊使いと呼ばれていた将校

こんな事は許されはしないだろうが…。
きっとカーティスは私の片鱗すら見るのも嫌だろうからな、けれど聞く者の居ないこの想いはどう処理すれば良い?
好き、違う…愛してる。いや、それよりもっと上の言葉でしか表すことの出来ない感情
執着とか嫉妬とか、…憎悪、とか…
きっとそんな汚い…ドロドロした感情に似ていると思う。
だから、私はカーティスを傷つけた。…傷つけた?
傷つけるつもりではなかった。
ごめん、ごめんなさい…。
…―ゴメンナサイ。

……ううん、多分傷つけたかった。一生醜い傷跡になって残ってしまえば良いと思った
違う、思ってない。だって私はカーティスの傷を癒したかった…
でも傷つけてしまった。
傷ついたか?
私の言動で傷つく程お前は私を愛していたか?   
もう、わからない。
何もかもぼやけて見えて。
世界が凄くぼんやりとしているんだ。
もう直ぐ、お前と初めて会った季節がやってくるな、お前にはもう…私の薄い外套など必要ないだろう。

……―さようなら、ジェイド