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1 信志

…壱くん。

大分、時が過ぎちゃってんだけど…さ。
ごめん。ごめんね、ホント。…あの学園で突然消えた事。これだけ言えば、お前ならわかるよね?もう一つ鍵を残すのなら、俺は柴犬だけどお前の番犬だったって事くらいだね。

あの頃、時間が無くて、その上色々ゴタついてて。お前から知らせて貰って期日も知ってたのに…気が付いたら確認期間も終わってた。…勿論、言い訳がましいのは理解してるんだけど。
いつだったかな…俺さ、辞めて暫くしてからと、最近一度だけお前が元気か覗きに行ったんだよね。一度目は結構イイ感じの人が出来てたみたいで、安堵してた。
今回はさぁ…名前が、退席者のトコにあったでしょ。だから、…だから謝罪だけでも残したくなった。幸せになってたのならこのままナリを潜めてようって思ってたけど…

俺ね、壱の事は本当に好きだったよ。それだけは真実。
お前はきっと此処には気付かないだろうし、今もこの世界で暮らしているのかは俺にはわからないけれど。ー…ゴメンね。