1 朱と烈風。
生物の温かさを教えてくれた、
―導師と、紅い被験者へ。
恐らくアンタが此処を見る事はもう無いだろう。
けど、…思い出してしまったと言う事は。
こうして、僕の指が書き綴って居ると言う事は。
―未だ、心の奥底でアンタが好きなんだろう。
あれから、大分時が経って。アンタはもう、僕の知らない処で幸せなんだろうけど。
―否、其れが一番良いんだが。
只、此の空の下でアンタが息災で有れば良いと、願う僕を容してくれ。
…願わくば、アンタ達に幸あらん事を。
恐らくアンタが此処を見る事はもう無いだろう。
けど、…思い出してしまったと言う事は。
こうして、僕の指が書き綴って居ると言う事は。
―未だ、心の奥底でアンタが好きなんだろう。
あれから、大分時が経って。アンタはもう、僕の知らない処で幸せなんだろうけど。
―否、其れが一番良いんだが。
只、此の空の下でアンタが息災で有れば良いと、願う僕を容してくれ。
…願わくば、アンタ達に幸あらん事を。
2 導師と鮮血。
今更…ですね。何故今になって見付けてしまったんでしょう。僕等はもう眠りに就いた筈だったのに、……貴方達の言葉を、心を知って眠りから醒めてしまいました。
――そして共に眠らせた筈の心迄蘇って来そうで…でも、此の言葉すら貴方達に届くかどうかは解りませんが。
貴方達は、息災なのでしょうか?僕等はきっと貴方達に、とても酷い事をしてしまったから…ずっと後悔して居ました。そして其れ故に、気に掛けずには居られなかった。
時折思い出しては逢いたいと…そう望んでしまう僕が居て、手を離すべきでは無かったと又後悔して。
あの仔…実は未だ僕の傍に居るんです。僕と貴方の名前を足した名前を付けたでしょう?―森に帰すなんて、結局出来ませんでした。
――そして共に眠らせた筈の心迄蘇って来そうで…でも、此の言葉すら貴方達に届くかどうかは解りませんが。
貴方達は、息災なのでしょうか?僕等はきっと貴方達に、とても酷い事をしてしまったから…ずっと後悔して居ました。そして其れ故に、気に掛けずには居られなかった。
時折思い出しては逢いたいと…そう望んでしまう僕が居て、手を離すべきでは無かったと又後悔して。
あの仔…実は未だ僕の傍に居るんです。僕と貴方の名前を足した名前を付けたでしょう?―森に帰すなんて、結局出来ませんでした。
3 導師と鮮血
→
そうする事によって、貴方達との想い出迄消えてしまう様な気がして…矢張僕は臆病な侭ですね。僕は、結局変われませんでした。
此んな僕等でも、貴方達は気持ちを向けてくれて…とても嬉しかったんですよ、本当に。…本当に嬉しかった。愛していたから…――いいえ、今でも…かも知れませんが。
もう、届かないかも知れませんが……最後に一言だけ。
貴方達が、此れから先もずっと幸せで在ります様に。
――今の願いは此しか思い付きません。
どうか、貴方もお元気で。
そうする事によって、貴方達との想い出迄消えてしまう様な気がして…矢張僕は臆病な侭ですね。僕は、結局変われませんでした。
此んな僕等でも、貴方達は気持ちを向けてくれて…とても嬉しかったんですよ、本当に。…本当に嬉しかった。愛していたから…――いいえ、今でも…かも知れませんが。
もう、届かないかも知れませんが……最後に一言だけ。
貴方達が、此れから先もずっと幸せで在ります様に。
――今の願いは此しか思い付きません。
どうか、貴方もお元気で。
4 シンク
―宵に、アンタの姿を見つけた。
どうしようも無い焦燥に駆られる自分が居た。
…想い続ける事は、果たして罪だと思う?
見つけてくれて、…感謝する。
僕達の為に又、こうやって姿を現してくれた事。
其の事実だけで、胸が一杯になる…―僕を、馬鹿だと蔑んでよ。
ねぇ、アンタ達は僕等に出逢えて倖せだった?
―僕達は、幸せ…だから。
過去形じゃなく、進行形で。
逢いたい。
…此の気持ちは、アンタを苦しめる原因の一つ。
其れが、溢れてしまったら…アンタ達はどうする?
一度で良い。
もう一度、アンタ達と―…
→
どうしようも無い焦燥に駆られる自分が居た。
…想い続ける事は、果たして罪だと思う?
見つけてくれて、…感謝する。
僕達の為に又、こうやって姿を現してくれた事。
其の事実だけで、胸が一杯になる…―僕を、馬鹿だと蔑んでよ。
ねぇ、アンタ達は僕等に出逢えて倖せだった?
―僕達は、幸せ…だから。
過去形じゃなく、進行形で。
逢いたい。
…此の気持ちは、アンタを苦しめる原因の一つ。
其れが、溢れてしまったら…アンタ達はどうする?
一度で良い。
もう一度、アンタ達と―…
→
5 シンク
…あの仔供も、息災か。
相も変わらずに、アンタの傍をくっ付いて離れないんだろうな。
―思い出……僕達は、未だアンタの心の中に居続ける権利があるのだろうか。
去り行くアンタの背中を止めもしないで只見送るだけだった、―僕達に。
其れは矢張り、アンタ達を苦しめてしまうんじゃ、ないだろうか。
又アンタが悲しい思いをするだけなんじゃ、ないだろうか。
忘れないで居てくれた事に、喜びを感じて居る僕は既に―咎人なのに。
―愛してるよ。
未だ、こんなにも…ね。
相も変わらずに、アンタの傍をくっ付いて離れないんだろうな。
―思い出……僕達は、未だアンタの心の中に居続ける権利があるのだろうか。
去り行くアンタの背中を止めもしないで只見送るだけだった、―僕達に。
其れは矢張り、アンタ達を苦しめてしまうんじゃ、ないだろうか。
又アンタが悲しい思いをするだけなんじゃ、ないだろうか。
忘れないで居てくれた事に、喜びを感じて居る僕は既に―咎人なのに。
―愛してるよ。
未だ、こんなにも…ね。
6 イオン
想い続ける事が罪だと云うなら、僕も又罪を負うべき咎人です。……―昨夜突然あの場所へ赴いたのは、貴方に逢える事を期待しての行動でしたから。其れこそ馬鹿の様に密かに胸を高鳴らせ、あの仔を連れて迄。
空虚感を抱えた侭微笑むだけだった僕を満たし、幸せを与えてくれたのは貴方だったから…でしょうね。
きっと、僕は又あの幸せが欲しかったんです。暖かで優しい幸せが。
だから、もう一つ願いが増えました。…――貴方に、逢いたい。
→
空虚感を抱えた侭微笑むだけだった僕を満たし、幸せを与えてくれたのは貴方だったから…でしょうね。
きっと、僕は又あの幸せが欲しかったんです。暖かで優しい幸せが。
だから、もう一つ願いが増えました。…――貴方に、逢いたい。
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7 イオン
実は、あの仔もそう思っているみたいですよ。昨晩貴方を探しに行くと告げたら、本当は眠たがって居たのに直ぐ付いて来ましたし。…―まあ、途中で僕の腕の中で眠ってしまいましたけど。
……―シンク、もう一度、貴方に逢う事は叶わないんでしょうか。確かに、苦しむ結果に成るかも知れない…悲しむ事に成るかも知れない。未来に絶対と云う事は在りませんから。
でも…それでも僕は貴方に逢いたいんです、貴方が愛しいと叫ぶ心を抑えられない。
僕等は、貴方達を愛していますから。
……―シンク、もう一度、貴方に逢う事は叶わないんでしょうか。確かに、苦しむ結果に成るかも知れない…悲しむ事に成るかも知れない。未来に絶対と云う事は在りませんから。
でも…それでも僕は貴方に逢いたいんです、貴方が愛しいと叫ぶ心を抑えられない。
僕等は、貴方達を愛していますから。
8 シンク
アンタは…未だ、好いて居てくれるのか?
こんな、女々しい以外何物でもない、僕を。
―そんな風に、言われたら。
期待―…してしまうから…
逢いたいよ。
誰よりもアンタ達に、逢いたい。
確信した。もう迷わない。
僕は浅ましくも未だアンタが好きだ。
中途半端な想いなんかじゃない。
アンタは…僕に引け目を感じる必要なんてない。
其の仔供にも罪はない。
只…又、逢いたい。
例え其れがどんなに、容された事ではないとしても。
未来なんかに縛られはしない。
僕達の想いは確かに此処に存在するのだから。
―そうだろう?…イオン。
こんな、女々しい以外何物でもない、僕を。
―そんな風に、言われたら。
期待―…してしまうから…
逢いたいよ。
誰よりもアンタ達に、逢いたい。
確信した。もう迷わない。
僕は浅ましくも未だアンタが好きだ。
中途半端な想いなんかじゃない。
アンタは…僕に引け目を感じる必要なんてない。
其の仔供にも罪はない。
只…又、逢いたい。
例え其れがどんなに、容された事ではないとしても。
未来なんかに縛られはしない。
僕達の想いは確かに此処に存在するのだから。
―そうだろう?…イオン。
9 素人です
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