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1 小心者の樹

矢の崎は漆黒の海…へ

この機会を逃すと二度と貴方と会話を持てないと思ったから此処を使わせてもらいます。
貴方が気付かなければそれまでだけどね…


貴方から最後のメールを読んだ後、俺は自分が送信したメール内容に対して後悔と反省に苛まれた。
あれだけ乱暴口調にしたらもしかしたら返事が貰えるかもしれない…という気持ちもあったのだけど、かなり酷い内容だったものね。
それなのに貴方は丁寧な口調で返事をくれた。
仕事の合間にメールを作成して送信したけれどやはりエラーで返ってきた。
これで本当に切れてしまったと思った。貴方は二度と俺を思い出す事はないだろうと……

時が経てば経つほど哀しみや悔しさなどの負の感情は薄れていって最後に残ったのは懐かしさだけだった。
終わりはあんな事になってしまったけれど、貴方と過ごした時間は間違いなく楽しくて幸せだった。

俺の事をもう怒ってないのならもう一度話がしたい…
2 正樹
あれは独り言だったのかもしれない
通りすがりに不意に呟き落としたただけのもの

馬鹿だね、のこのこ現れたりして
滑稽に映ったかもしれないな


もう言葉を聞く事はないと思っていたのに再び聞く事が出来ただけでも喜ばないといけないよね

俺の心が救われたのは事実


ありがとう……本当は会って言いたかった


さようならなんて辛くて言いたくない……けど


さようなら