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1

意地悪な冬の人・・・

夢の中にいたままのほうが、偽りでも幸せなままでいられたのに・・・隣に貴方がいないことを承知していながらも目をさまして・・・・・・。


あんな言葉を残したのは、未だに捨てきれない貴方への気持ちが、自分でもどうしようもない位に重たすぎて、吐き出せばなんとかなると安易に考えてしまったから・・・。


貴方の顔を思い出す度に後悔ばかりしてるんです・・・
もう遅いのは承知だけれど、僕は、貴方との絆を断ち切りたくはなかった・・・・・・


都合の良いことばかり言って、ごめんなさい・・・・・・でも、今はまだ貴方の事を思って泣くのを、許して欲しいんです・・・・・・
2
いまはただ
思ひ絶えなむとばかりを人づてならで
言ふよしもがな


此はオレの心の一片だ。だけど、オレから御前を探す気はねェ。…隣はもう埋まっちまったんだよ。―まあ一応、未だ彼奴への気持ちが御前に向けた物と同等かは解らねェけどな。


……苦しめたくないから離れたってのに、逆に御前を苦しめちまったのか?オレは。此じゃ…態々離れた意味ねェだろうが。
3
貴方を、困らせてしまうだけだって解っていた・・・つもりで。
でも結局甘えてこんな処にまで言葉を残してしまった・・・。


二度と貴方の前には現れないと誓いまで立てておきながら、容易に貴方への想いを綴って・・・


ごめんなさい。
結局最後は貴方の手を煩わせてばかりで・・・
戻りたいと、望みはしません。
こんなこと、僕が言って良い訳はないけれど。


貴方が惹かれた人とならば、幸せになって・・・・・・


ごめんなさい・・・
本当に、これを最後にします。
4
馬鹿。…流石にもう愛してるなんて言葉は言えねェけど、好きなのは変わってねェっつの。


御前の居場所を覚えてる鳩だって未だ飼ってる位だ、…まあ届くかは解んねェけど。


大体此の言伝の所為で困る様な事が有るなら、態々書き込んだりするか。―オレの事は良い、問題は御前が幸せになれるかどうかだろ。オレはそっちの方が心配だ…
5
まだ、好きだって言ってくれるんですか・・・・・・


もう、自分でもどうしたいのか理解できなくて・・・・・・
馬鹿みたいに、笑うこともできなくて、ただ、苦しい・・・


貴方の居場所を覚えている鳩は、僕の所にもまだいてくれているけれど、届こうと、届くまいと手紙を届けることはしません・・・

もう、本当に貴方を忘れなきゃいけないんですね・・・

僕は、どうにかなります。大丈夫ですから・・・だから、貴方は今貴方の隣にいてくれる方を大切にしてあげてください・・・


最後まで、甘えっぱなしでごめんなさい。
短くても、話をしてくれて・・・嬉しかったから・・・
6
……やっぱオレには御前を助けてやる事は出来ねェな。御前を愛してやれる訳でも無いのに又戻る事も出来ない、此のまま御前が心配だからって話し続ける事も御前には迷惑以外の何物でも無いだろうし、な。


でもつい考えちまうんだよ。…オレに出来る事は無いかってさ。
―オレな、御前を沢山傷付けた詫びがしたいんだよ。どんな事でも良い、御前が幸せに成れんなら協力するぜ?――未だオレが御前にしてやれる事、何か無いか。
7
心の片隅で未だ今一度と再会を望む私を、御前は嗤うだろうか…。

ならば其れでも構わないが。―…嗚呼、言い忘れていたが私の傍へ侍る者とも離れたぞ。つい先日な。

…此の侭、褪せる事無き熱情を秘めた侭私は眠る事にする。


私達の事は忘れ倖せに成れ、我等が太陽……。


私と彼の最後の望みだ。
8
・・・たった、数行の言葉で・・・堪えていたのに、貴方へむけて言葉を遺さずにはいられなくなって・・・・・・・・・


どうして、どうしてですか?
貴方の隣には、本当に誰か僕の知らない人が寄り添っていると・・・
だから、もう僕なんかのことで手を煩わせないようにと思っていたのに・・・・・・


それこそ、今更・・・ですよね・・・


貴方が独りきりで眠るのは、嫌です・・・・・・そんなのは嫌なんです・・・っ


僕は・・・・・・僕はどうしたら、いいんですか?
未だに貴方に一目でも・・・ほんの一瞬でもいいから貴方の姿を見たいと・・・・・・・・・懲りもせずに、想い始めてる、僕は・・・
9
独り善がりな呟きをここに遺していくのを許してくださいね・・・


逢いたいと望む心はここに置いていきます・・・


もう、貴方は眠ってしまった・・・・・・?
どうか、その眠りが貴方にとって安らいだものであればいいと・・・


次に、目覚める時が来たら・・・僕のことなどひとかけらも思い出すことのないように、今度こそ違う誰かと幸せになって・・・・・・・・・


その頃には、僕も・・・貴方ではないほかの誰かの腕の中に、安らぎを見いだせているかもしれないから・・・・・・


最後の最後までこんな弱音を遺して、ごめんなさい・・・

おやすみなさい、良い・・・夢を・・・・・・
10
…はは、辛い、な。依然薄れぬ熱情を抱え眠るのも…


暫しの夢に移ろう間にうっかりと御前の文を見落とし、どう返すべきかと悩む内此んなにも時間が経ってしまった。
もう、御前も私の事等忘れ幸せに成った頃だろうな……―まあ、だからと云う訳でも無いが、私も御前との再会を望む心を置いていこう。
愛している、と云う熱と共に。

そして、此れ等全て御前只一人へ…今更逢う事等望めぬ故此れ位は許せ。


……―御前の傍らの者と御前を想像するのは多少処かかなり癪だが…御前が幸せなら、どうとでも整理はつく。

幸せに成れよ、雪椿。…桜も、刻千もな。


さようなら、だ。
御前が永久に幸せで在る事を、遠い此の地より祈って居る。
11
貴方の言葉をまた聞けるとは露ほどにも思ってはいませんでした。

今頃は、誰か別の人に寄り添っているのだと。
だから・・・僕はあの人に一言謝りたくて探す事を決めて。


それなのに・・・
もっと早く、そう言って欲しかったと思うのは我が儘でしょうか・・・・・・

貴方を忘れられる事などできなくて
『ほかの誰か』と出会う気になんてとても出来なくて。
毎日・・・毎晩貴方を思い出しては痛む胸に目を瞑って・・・・・・


僕だって、きっと貴方と変わらない・・・貴方以上に弱くて、ずるい生き物なんですよ・・・?
縋りついても赦されて、抱きしめて温もりをくれるのなら・・・誰でもよかったんです・・・


だけど・・・貴方だけは、何度も何度も繰り返し出会っては別れて・・・


一言。
今、貴方に言いたいのは一言だけ・・・
だけど、それを口にするには都合が良すぎて貴方を戸惑わせて困らせるだけでしょう・・・?
12
私は…御前と離れて直ぐに此の世界から身を退いていた。胸に容赦無く突き刺さる後悔の念と、愛しいと感じる心を抑える為に。


だが、痛感した。
何時迄も、季節が変わってさえ御前の影は依然私の心に住み着き、御前が居ない事を知らせてくる。…余計に苦しく辛き思いをしただけに過ぎなかった。


―…御前の其の私に伝えたい一言とは何か、教えてくれ。

私は聞きたい、…御前の言葉が。御前の心が、聞きたいのだ。


私に聞かせて欲しい。…御前の心を。
13
今一度、許されるなら・・・


僕は貴方に会いたいと。もう一度、貴方の隣にいっても許される存在でありたいと・・・・・

そう、思っています。
毎日毎日、もしかしたらいつか現れてくれるのではないかと期待して・・・
未だに変わらない僕の鳩に・・・・・・
貴方からの言葉が欲しいと・・・・・・。


それが叶えられないのなら、どうか想うことだけは許してください・・・
14 雪椿
最後に言葉を交わしてから、まだ数日しか経っていませんけれど・・・。

途中で途切れたままのこの状態が・・・・・・不安、です・・・。
また、飛ばした鳩が戻ってきてしまったら・・・と思うと、手放すことすら出来なくて。


お忙しくて、手が空かないだけ・・・なら良いのですけれど・・・・・・