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1 大人になれないオニイサン

繊細で優しい兎へ。

元気してるかな?お前と綺麗にお別れしてから、まだ3ヶ月しか経ってない。もう半年ぐらい経ったかと思ってた。
未だに、お前の事が恋しくなって最後の手紙、見るよ。その度に、涙出そうになっちまう。・・・らしくねェって?そういう男だったの、俺は。

お前は俺の事大人大人って言ってたけど、ご覧の通りオッサンの皮かぶった只の餓鬼だったって訳。お前の方がよっぽど、大人だったよ。

今だから話せる話、途中、お前と連絡が途絶えた間、お前と同じ姿をした奴を何人も抱いた。自分で言うのもアレなんだけど、鬼畜ーって感じだったね。ホント、自分への慰め・・・まるで字のまま、自慰みたいだったから。

何で抱いたかってのは、淋しかったから、お前と姿だけでも同じ奴と触れたかったから。
だけど、抱かれたいと思うのはお前一人。だから慰めに、抱いた。お前にされたいって俺が望んでた事、全部そいつらにしてやったよ。俺ってなんてオトメ。

だけど、満たされやしなかったよ。抱く、抱かれるの問題じゃない。やっぱりお前が一番可愛かったから。

お前と再会しても、いかがわしい事なんかなーんもしなかったな。でもそれで良かったんだ。俺はそれが妙に幸せだった。

俺にとってはお前は聖域。
情欲に溺れた小汚い俺を浄化してくれる聖なる兎だったんだ。

こんなに愛してたのに、何で俺はお前に捨てられるような行動取っちまったんだろう。救い様のない馬鹿だよ俺は。

今でもお前に会いたい。
だけど、会ったからってどうなる?
きっと結果は同じだ。どんなに後悔しても、俺はきっとまた同じ事をくり返す。
俺には、お前に語りかける資格すら、本当はねェんだ。

言いたい事はたくさんある。
テレパシーとか使えりゃ良いのに。
そしたらさ、俺はホクロから発信するからお前はその触角で受信してよ。言えなかった愛の言葉、たくさん贈るから。・・・なーんて、俺ってホント餓鬼。こんなキャラじゃ、ねェよな。


今、どうしてる?
ちゃんと笑ってるか?
トラウマに打ち克って素敵な恋見つけられてりゃ言う事ねェや。お前の繊細なハートを守ってくれる強ーい奴な。


俺の愛しい聖なる兎。
お兄さん、左手の怪我が痛くて死にそうだよ。
このテレパシーを受信して。
そしたら最後にもう一度だけ、俺の為に笑って。
そしたら全て浄化されるから。

なぁ、兎。