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1 白虎の主

月光宛

3日過ぎて連絡無き場合は互いに確認…と、約束したにも関わらず、毎度の如く、此方からの確認ばかりであることに、気持ちが冷めてしまっていた。
だからあの時、無断を禁止したお前に対し、白紙は不要、自然消滅で構わんと伝えたのだ。

――何故、あの時、引き留めるような言葉をくれたのだ?
それが無ければ、とうの昔に冷めた気持ち、綺麗に忘れられたものを…。
事故の可能性など考えず、6日も間をあけてから此方から確認などすることも無かった。

結局、返事はこないままであったな。宣言通り、明日、全ての記憶を消去する。

愛しい虎、お前の望みを叶えよう。
裂かれたベッドから静かに降り立ち、下女に身支度を手伝わせたのち後宮へ向かう。
続きは…無い。
最初で最後の、終止形だ。