Write
1 くっつき虫の白い烏。

意地悪で優しい吸血鬼に・・・。

・・・直接は、言えないから。
気づいても、気づかなくても・・・・・・此処に言葉を遺していきます・・・。
もう、直接言葉を届ける程の勇気は出せそうにありませんから・・・


本当は、未だに貴方を好きな気持ちは少しも変わっていなくて・・・
好きで、好きでどうしようもない位です・・・。
馬鹿馬鹿しくて笑ってしまわれそうですね。

だって、僕はもう貴方を隣に捕まえておけないんです。
どれほど大切に思われていても・・・いつか、貴方が心から愛する人が現れるのだと思ったら・・・苦しくて、苦しくて。最後には、貴方に憎しみまで抱きそうな気までしてきて・・・・・・。


僕は、自分で自分が恐ろしくなりました。
貴方のことは嫌いになりたくない。
嫌いになれないのは判っているけれど。それでも、いつか訪れるかもしれないその日に怯えながら貴方の傍になんてきっといられません。


だから・・・
だから、僕は貴方の手を放すことに決めました。直接、伝えられなくてごめんなさい。
何回も、何回も離れては再び手を繋ぐのを繰り返したけれど。やっぱり、僕の一番好きな人は貴方だけだけれど・・・


さよなら、しましょう・・・・・・
2 冬に例えられた吸血鬼。
の、代理。ヤツはもう永遠に醒めない夢へ沈んじゃったから、オレの言葉みたく話すけど。
一応ヤツの言葉。オレで御免な。


離れてからもう直ぐ3ヶ月弱かな、…オレさ、お前の幸せを願わなかった日は無いよ。寒くなるにつれお前と過ごした日々を思い出してる。


――今はもう無い神社で話したとか、くっつき虫だとか、一緒に温泉入った事も有ったな。
教会で逢瀬を重ねたり、指輪を渡した事も有って。…あれから、もう随分と経ったけど、全部オレの一番良い思い出だ。


お前も、そうであってくれたら嬉しいな。なんて、自分勝手な事言ってる?御免。
勝手ついでにもう少し言わせて。


―…やっぱり時々気付かなきゃ良かったって思う事有るよ。家族愛だって気付かなきゃ今でも隣で笑ってられたのかなって。
辞書に登録したお前の名前は消せないし、もう辿り着けるかも判らない住所だって消せてない。言葉の一つ一つは大事に取ってあるし、指輪も引き出しん中にこっそり入れたまま。


でもさ、…コレで良かった様な気もするんだ。お前との思い出、全部綺麗なままで離れられた事。
お前にとっちゃオレとの出逢いなんて消してしまった方が良いのかも知れないけど、オレは…お前に出逢えて良かったって思う。人の愛し方、慈しみ方…沢山教えて貰えたし。
…お前の傍に居られて良かった。


だから今、幸せにしてやりたい…守ってやりたいって思えるヤツを大切に出来る。
今のオレがあるのはお前のお陰だ。


有難う。
…今でも大好きだ。家族の様な意味でだけど、今でも未だ愛してる。


お前も幸せだったら良い、心からそう思ってるよ。

――実際もうオレがお前に逢う事は無いだろうし、お前が此処へ言葉を返してくれなきゃ話す機会も無いけど、オレはずっと、お前の幸せを願ってるから。


…それじゃ、元気で。