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1 雲雀恭弥

もういいだろ?…六道骸。

僕の背後に恋人が出来た。それを聞いていなくなっただろう君へ。

今、君はどこにいるだろうか。
君は幸せでいるだろうか。そして、君の背後も。

僕らは恋人でもなんでもなかった。けれど、僕は今まで…いや、これから先もかもしれない。君よりも甘えられた人や頼れた人や、…好きだと思えた人はいないだろう。

あれが、本当に人生で初めての告白だった。何でも初めてっていうのは大変だね。何を言えばいいかわからなかったよ。
自分が言っていることが信じられなかったくらいだった。
それに、僕が自分から誰かを好きになること自体、有り得ないって思っていたから。

…だからこそ。悔しいとも思うよ。
君と、ああいう形で出会ってしまったことも、自分の年齢も、出会ったタイミングも。
もし、何一つお互いに障害も懸念することもなかったら…いや、「もしも」の話は止そう。悲しくなるだけだから。

僕はね。
誰よりも君に傍にいてほしかった。
恋人はいつか別れるだろう。想いが朽ちる日もくるだろう。
けれど、きっと友人はそうじゃないから。
君と話している時は誰と話すよりも心地よかった。

君は元々こういう場所を見ないと言っていたから大丈夫だろう。
負担になんかなりたくないんだ。
だから、君の恋人のためにも僕は君に関する話は書かない…書けない。巡り巡って君の負担になるから。

そうだね。敢えて言おうか。
僕は今、決して幸せとはいえない。
けれど、不幸と言ったらいきすぎ。
それくらいの位置だ。

その分だけでも、君が平穏な日々を過ごしていることを願って。
2 無名さん