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1 孤高の瞳

嘗てあった国の民へ…

今更、ではあるが。
この広い世界の何処かで…
幸せでいると、信じて疑わぬ。

今は無くなってしまった、異界の国。
感慨深きは皆で過ごした、深夜の宴。

―――異界の仔を始めとする者達。
次男、末弟、養女、お庭番。
3魔女、従兄弟とその妻子。
代々の王族、その軍師、近隣王族。
自ら国を出た者、亡くなった者。

バルコニーで交わした、日々の温もり。
海岸でのサンドアートと雪合戦。
皆が和気藹々としていた、街のレストラン。
そして、総てが始まり終わった…私の執務室と。

係わった総ての者へ、懐かしさを籠めて…
その幸を、切に此処に願う。
届いて欲しいと、願いながらに…