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1 ゼ!ク%シ$オ=ン

出逢った日の林檎と渾名。

忘れた事などありません。

あなたと過ごしたあの日々。
あなたの声も、あのまぶしかった笑顔も。
あなたに初めて出逢った時に貰った、林檎も。

――この空間では語り切れない事が、たくさんありましたね。


覚えていますか、一樹。
昨年の12月12日。
僕らが最後に会って、言葉を交わした日を。
僕はあの日、言おうと思っていた事があったのですよ。
結局…言えずじまいでしたが。

思えば、あなたには僕の本当の気持ちを何ひとつ言えませんでした。
あなたに出逢えて、無い筈の心が生まれたのだと言う事。
あなたになりゆきで付けられたあの呼び名が、何時の間にか心地良い響きになっていたと言う事。
あなたが僕にとって、とても大事な人であったと言う事。
あの場所であなたと過ごす時間が、何よりも僕の楽しみであったと言う事。
何も――言えなかった。

だからこの場で、僕はあなたへの想いを語ります。
包み隠さず、すべて。

あなたがこういう場所を見るのかは分かりません。
あなたが今僕をどう思っているのか。
それどころか、僕の存在があなたの記憶に残っているのかさえも。

それでも、もしあなたがここに…僕に、気付いたのなら。
あなたの痕跡を、残して下さいませんか。
それが僕の――喜びであり、望みなのですから。
2 No.6
少々、書き過ぎましたか。

一度は満足した物だとしても、冷静になってみると反省点が見つかるものですね。
胸に刻みましょう。


…昨晩はそれだけ平静ではなかったのかもしれない。
どこか理屈に訴えかけてしまうような言葉になりがちなのも僕の悪い癖です。


――変わらなければ。
3 No.6
どのように思われても構いません。たとえあなたに――嫌がられる、としても。
これだけは、あなたが見た時のために伝えておきたいのです。

僕は、


あなたが、好きだ―――と。


言わなかった理由はただ一つ。
あなたと僕の未来はずっと繋がっている。そう思っていたからです。
これから言う機会はたくさんある。ずっと、先に言えばいいと…後に延ばしていた。

永遠など有る訳がないと、理解していたはずなのです。
しかし僕は…それを忘却の彼方へと捨て去ってしまった。
その結果がこれです。……流石のあなたでも、大笑いするでしょう?


せめてあの頃、もっと、もっと。あなたの名前を呼んでいればよかった。
そうすれば、もっと伝わったでしょうか。

そうすれば――こんなにも僕は、情けない姿を晒さずに済んだのでしょうか。
4 Ze+x+i+on
2月22日。
…いえ。特別な意味はないのですが、僕はどうも数字が揃っている日付が好きなようです。
22時22分に書き込んでいたら多少は面白いことになるのでしょうが、ね。

ああ、あなたは今元気にしているのでしょうか。
何よりもまず息災であって欲しい。
それだけでも知ることが出来ればいいのですが。


……大人しく本でも読んでいることにしましょう。
5 Ze+x+i+on
此処を作った日が、何故か遠い昔のことに思える。
けれど…あなたと過ごしたあの日々は、何故か昨日のことのように感じるのです。

不思議なものですね。
僕らは特別…そう、いわゆる恋人という関係というわけではなかった。
あえて言葉として表すならば――友人、という単語がふさわしいでしょう。
僕にとってはそんな言葉一つで括れるものではなかったのですが。

あなたはいつも、僕の様々な事を…口に出さずとも自然と汲み取ってくれていました。
それが僕にとっては……その、嬉しかったのですよ。
信じてもらえていた…そう思っています。

甚だしい自惚れと理解している、…それでも。
あなたは僕にそう思わせるほどの事をしてくれた。


――ありがとうございます。
面と向かって言えなかったこの言葉を、今、あなたに。
6 Ze+x+i+on
口にするつもりはなかった。
あなたに伝えてしまえば、その気持ちがひどく薄い物になってしまいそうだったから。

そう思っていた。

気付いたのです。
何という事はない、僕はあなたに伝えるのが怖かっただけなのだと。
伝えることであなたとの関係が壊れてしまうのではないか。
そう、怯えていただけだということに。

大人で在りたかった。あなたの前では、特に。
そうやって意地を張って、結局何も言わないまま…後悔の道を歩んだ。
今ようやく本音を語ろうかと思えば、底知れぬ恐怖に身を染めかけている。

けれどもうあの頃の僕ではない。
そのために作ったこの場所なのだから。

恐れずに、ただひたすら待つ。
そして、いつか来るであろう答えを――それがどんな形でも、受け止める。
そう決めた今なら胸を張って言えます。

この先どんな事があったとしても、何よりも、誰よりも、

――あなたを、信じています。
これからも揺らぐことなく。


ああ、…本当に、本当の僕を、見せてしまいました。
けれど、これで少し変われそうな…そんな気がします。

僕が最も信頼するあなたに、…弱く情けない姿ですが…本当の姿を見せる勇気を出すことが出来たのですから。
7 :影ゼ歩クむシ策オ士ン
連ねれば、連ねるほどに。
あなたから見れば僕が熱にでも浮かされているかのように感じられるのでしょうね。
あながち間違いでもありませんが。


しかし、そろそろ理性が戻ってきたのかもしれません。
こういう事を何気なく語るのは…僕には…ああ、もう…。
あなたが、あなたがいけないのですよ。
恥ずかしいでしょう…まったく。

それでも、僕は。
あなたが此処を見つける日が来るだろうと、そう思っています。
それとももう見ているのかもしれません。

あなたは今、何を望んでいるのでしょう。
何を思い、何を願って生を刻んでいるのでしょうか。
叶って欲しいと思う反面、知りたい。
あなたの色々な事を。

この僕の望みは、いけないものなのかもしれませんが。
それでも、ねじ曲げることなどしませんよ。
8 ゼ!ク%シ$オ=ン
…あなたの夢を見るときがあります。
大体は僕が回想などということしていて、直接的に姿が出たことはまだないのですが。

これが果たして何を意味するのか、僕が自分に問いたい。
…現在の状況をそのまま映しただけ、と言われればそれまでですがね。

夢というのは、情報の整理や必要なことを忘れないために脳が活動する際に見るもの――と、聞きました。

…やはり。あなたは僕にとって大事な存在なのです。
気付くのが遅かったのだと悔やむよりは、今確固として在る僕の中のこの気持ちを、抱いていたい。


―――古泉一樹。
あなたにご多幸を。
どんなに、辛くとも、苦しくとも。
それを乗り越えて、最後には幸せを掴めるように。
悩んでしまったら立ち止まってしまったっていい。
辛ければ誰かに思いの丈を吐き出せばいい。
少しずつでいいのですから。

何よりその相手は僕であって欲しい…ですが、今は叶わぬ望みです。
せめて――願わせてください。
9 ゼ!ク%シ$オ=ン
可愛い。

…と、言われたことがありましたか。
嬉しかった、です。…今の心情としては。
ただ、初対面のあの時は大した意味には捉えていませんでしたし、深くも考えませんでした。
そんな自分が今となっては憎らしい限りですが。

思えば僕のニックネーム、あなたに言わせれば愛称が付けられたのも、あの時でしたね。
あなたが呼んでほしいと言ったあの呼び名を、僕が何を血迷ったかそのまま正直に呼んだ、あの瞬間から。

あの時のあなたの喜びようと来たら、…もう、本当に…子供のようでしたよ。
あれを可愛いと呼ばずに何と呼べるでしょう。
その時の記憶を脳裏に呼び起こすだけで、愛おしい。

可愛いという言葉はあなたの方が似合っている。
その考えは今でも変わりはしません。
僕はあなたの笑顔を疎ましいと思ったことはありませんでしたし、むしろ愛らしいと思っている程です。
あなたの常に100%の笑顔の魅力が分かるのは、僕ぐらいでしょう。

ああ、どうして、どうして会えるうちに気付かなかったのか。
僕ですらここまで心境が変化しているのです。あなたはもっと、なのでしょうか。

もう一度あの時のように呼ばれたい。
もう一度…あの時のように、呼びたい。
それでも…そう、懐古ではなく。
未来への希望の言葉を乗せましょう。
僕らがいつの日か、もう一度語り合える時を信じて。
10 ゼ!ク%シ$オ=ン
この時間は…あなたにはまだ早い、でしょうか。
最近は言葉を残そう、残そうと思ってためらう日々が続いています。

これで丁度10回目。10分の1をひとりで使い切ってしまったことになりますね。
ためらう理由もきっとそこにあるのでしょう。
僕は――独りよがりに垂らした糸の寿命が切れてしまうのを恐れている。
こうして綴っていくのも、結局はあなたの意志を無視した自己満足に過ぎません。
自分の行いが正しいのか正しくないのか、時折疑問に思うときがあるのですよ。

それでもせっかく作った場所なのです。無駄にしたくはありません。
綴るごとに思いを膨らませつつある僕を、あなたはどう思うのか。
…想像、するのが少し怖くもありますが。


――今日はもう眠りにつくべきでしょうね。
おやすみなさい。


…言ってみたかっただけです。
それだけです、から…。
11 ゼ!ク%シ$オ=ン
4月ですね。
春は出逢いの季節とよく言うものですが…あなたと再び巡りあうことを期待しましょうか。


嘘ではなく。本当の本当の気持ち。
今の僕は自業自得なのでしょう。
あなたはきっと僕のせいでいなくなってしまった。
僕が、壊してしまった。
ずっと分かっていたことです。
あの時は――もう、今となっては何を言っても言い訳にしかなりませんが、それでも残しておきたい。
そう、あの日の…僕らが最後に会った、あの日のこと。
僕が勝手に帰ってしまったあの日です。
あの日は言葉がうまく纏まらなかった。
うまく自分の中にあるものが伝えられなかった。
その上に…事情があったことなどもう関係ない。勝手にあなたに背を向けた。
だからきっと誤解させてしまったでしょう。
けれど僕は、…僕は、またいつか会えるだろうからと気楽に考えて…それがいけなかったのですね。

本当に、申し訳ないことをしました。
…すみません。


時機を見て、しかる場所であなたを捜そうと思います。
いつになるかは分かりませんが、今はまだ身をさらしてあなたを捜すわけにはいかない。
そもそも此処に立てたこと自体、そういう理由です。
あなたと再び顔を合わせて…もっと欲を言えば再び交流が出来るようになった暁には、この場所のことを伝えましょう。
元々僕らは個人間で連絡していたわけではありませんから、望み薄ではあります。
それでも。たとえゼロに近い可能性でも構わない。僕は必ずあなたを捜しに行くつもりです。
いかなる答えが返ってきたとしても覚悟の上。返事が来るだけでもありがたいことです。

……それも果てしなく遠い未来の話ですがね。
それまでは此処であなたのことを書き連ねていこうかと。
12 ゼ/ク/シ\オ/ン
どれだけ言葉を繰り返しても、目の前にあなたはいない。
記憶を受け継ぎ、時間を巻き戻す事が出来るならと愚かな望みを抱く僕は……滑稽ですね。

僕は何度あなたの心に傷を負わせてしまったのでしょう。
何気なく紡いだ言葉で、何度あなたを悲しませたのか。

でも、それでも、
僕は、あなたのことを誰よりも。


こんな、僕でも。
望むことを、許してくれますか。


会いたい。…会いたい、です。
13 無名さん