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33 無名さん
>>24


 俺は復活の呪文を唱えた。だが>>22は生き返らなかった。治癒の呪文や解毒の呪文も唱えてみたが無駄だった。当たり前だ。>>22は怪我をした訳でも、毒に犯された訳でもない。
 死んだのだ。
「――嘘だッ!」俺は唱える。祈るように唱える。すがるように唱える。懇願するように唱え、ヤケクソのように唱え、逃避のように唱え、そして、諦めるように、唱えた。
 結果などわかっている。
 >>22の表情は、それでも、穏やかだった。
 俺はこんなに酷い顔をしてるのに。

「っく……うっ……!」

 嗚咽が漏れ、目頭は熱く、胸は痛い。悲しかった。>>22が死んだ事が悲しかった――>>22を救えない事が、たまらなく悲しかった。こんな呪文なんてどうせインチキだ。そんな事最初からわかっていたのに、何故救えるなどと淡い幻想を抱いたのか?さっさと諦めてしまえば、こんな風に泣く事だってなかったはず。そうだ、死者は生き返らない。例えそれが、俺の愛する人だったとしても――

『どうしてそこで諦めるんだそこで!!』

 ――ふと。
 それは誰の声だったか、懐かしい声が聞こえた。
 確かに、聞こえた。

『頑張れ頑張れ出来る出来る絶対出来る、頑張れもっとやれるって!!
 やれる、気持ちの問題だそこだ、頑張れ頑張れそこだ!!!そこで諦めるな絶対に頑張れ積極的にポジティブに頑張れ頑張れ!!諦めんなよ!諦めんなお前!どうしてそこでやめるんだそこでもう少し頑張ってみるよ!!だめだめだめ諦めたら!周りのこと思えよ!応援してる人たちのこと思ってみろってあともうちょっとのところなんだから!!
 絶対やってみろ!!必ず目標達成できる!!!だからこそ――』

「ネバーギブアップ……!!」
 それは復活の呪文だった。
 何ひとつインチキの付け入る要素のない、俺の願いだった。
 俺は復活した。
 そして、>>22が――