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48 無名さん
(土砂降りの雨の中、ふたりは出逢う。夜の暗闇の為、お互いに相手の姿をちゃんと確認する事は出来ない。傘は生憎持ち合わせていなかったのにキミは、土砂降りの雨の中、路地裏で泣き叫んでいた。どんな辛い事情があるのかはわからない。でも、キミはひたすら、声が枯れるまで、いや、声が枯れても泣き続けていた。俺はそっと手を差し出して、何て声を掛けたらいいかわからぬままに、必死に声を捻り出して)
「おいで・・・」