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63 無名さん
(冷房の効き過ぎた空気、火加減の足りていないハンバーグ、接客の疎かな店員、店内BGMの選曲、内装のセンス、床に転がる綿埃、晴れ過ぎた天気、隣でマシンガントークを繰り広げる友人とノリノリで合いの手を入れる彼の恋人、そして急用で少しだけ遅れると連絡を寄越したきりもう五分も音沙汰のない相手――世界が不愉快なものばかりで構成されている気がして、むっつりと黙り込んだまま苛立たしげな音を立ててハンバーグを切り分けて、口の中に放り込み。やはり火加減の足りていない肉を咀嚼しながら、五分ほど前から聞いていない話をべらべらと続ける友人を煩わしそうにギロリと睨むと、ごくり、と喉を上下させ)……うるさい。僕は今不機嫌なんだ。少し黙――(れ、は店外からの悲鳴でかき消され、いよいよもって不愉快そうな顔をして窓の外の通りに目をやると、そこには皆一様にある一点を見つめて張り詰めた表情を浮かべる人々と、その中央に赤い液体の滴るナイフを持った見知らぬ男が立っているのが見え、更に彼の足元にはやたら自分の恋人に似た女性が倒れていて――)

何で>>28誰もやってなかったのさ!いいお題なのに!
俺からも出そう。『迷子』