1 マルス

第6話 黒の紅白・2

黒の紅白の続きです。
26 藤谷 瞬
南「やったね、チエチエ!黒陽入りだよ!」

那美「見事でしたよ、智恵子さん。最後の最後にやられました……」

最大出力で勝負を決めに行ったのだが
それがダメだったとなれば素直に負けを認める以外に無い

那美「ですが……次は負けませんよ。」

しかし
だからと言ってそのまま負けっぱなしで良いわけではない
次は必ず勝つと心に決め、言い放つ

「…………」

鳥肌物だった
こんなすごい戦いがあるなんて思いもしなかった

だからこそ
あの時敗けたのが悔しい、あの戦いに勝ってもっと強い奴と戦えたら

「黒陽……」

こんな強い奴がいたなんて

「おい、アンタ!」

真那「ちょっ!」

恭弥「瞬!?」

那美に向かって声をかける瞬

「俺と……俺とも戦ってくれよ!」

那美「…………」

真那「この馬鹿!那美さんのガンプラは壊れて……」

「分かってる………でもっ……」

那美「自分の力がどこまで通じるのか見てみたいのか……なら、正当な方法で私に挑みに来い。その時になれば嫌というほど相手をしてやる。」
27 氷騎
智恵子「ありがとう南ちゃん」

南にそう返すと那美に

智恵子「いえいえ、あたしも最後の賭けに出ただけですから。それに一歩間違えていれば負けてたのはあたしの方ですよ。」

そう言いながら自身のガンプラを見せる。そう、那美の大型ビームサーベルの斬撃跡はコックピットのわずか数ミリ上で止まっていた。

「でも…次も負けるつもりはありませんよ。」

そう不敵に笑う。

(そう。あたしの目標はランキング1位の燐さんと肩を並べられる程の強さ…まだまだ上には上がいる…)

檜山「ところで姐さん、俺たちのガンプラボロボロだから新しいの作りたいんだけどなんかアドバイス無いかな?」

智恵子「えっ?そうねぇ…黒岩クンはやっぱり00系の方が相性良いんじゃない?それから檜山クンは可変機にしてみるってのはどう?重爆撃機みたいな…」
28 藤谷 瞬
「正当な方法……?」

那美の言葉に疑問を浮かべるが

始「まずは、ブラック・レイのメンバーに自分の力を認めさせろって事さ。」

「それって……」

どういう意味だ?と聞き返そうとしたその時

ファイターA「おい、アンタ凄かったな!俺達と戦ってくれよ!」

ファイターB「何言ってんだよ、俺達が先だっての!」

次々と瞬へ対戦依頼が入ってくる

「あ、ちょっ……!」

始「そういうことさ。」

「……………」

そうか
そう言う事か

なんだ
簡単で分かりやすいじゃねぇか

「恭弥!行くぜ!ここにいる奴ら全員ブッ倒して黒陽の連中も全国の連中も全員ブッ倒すぞ!」

恭弥「え、ちょ、瞬!?何言ってんの!?すみませんすみません!」

真那「あんたが簡単に勝てるほどブラック・レイのメンバーは甘くないっての。」


始「しかし……」

珍しいな
あの宝条さんが戦わずにして実力を認めるなんて
正当な方法で来いという事は、彼等がいずれは黒陽に挑むことが出来るレベルに慣れると思っている事なのだろう


疾風と共に駆けるガンプラが激戦を繰り広げる
楽しそうに戦う瞬と恭弥の姿を見て始は思わず微笑んだ
29 レッドフェニックス小隊
檜山「それにしてもすげぇな…アイツ…」

智恵子「そうね…今の言葉案外ホントになっちゃうかもね…」

剛「…」(頷く)

智恵子「さて…あたし達も負けてられないわよ?」

檜山「ああ、黒陽のチームリーダーがいる以上アイツらに後れを取る訳にはいかないからな。」

剛「うむ。」

檜山「剛、俺達は新しいガンプラ何にするか考えなきゃな。」

智恵子「あたしはフェネクスを作り直さなきゃ。」

檜山「じゃあ姐さん、今度3人でGミューズ行かないか?Gミューズ限定の掘り出しもんがあるかもしれないしさ。」

智恵子「良いわね、それ。日にちはまたメールするわ。」

檜山「わかった。」

剛「…」(頷く)

後に彼らは新たなガンプラを手にする事になるがそれはまた後の話。