1 綾代

第8話 新星

私、綾代のセルフクロスです。
乱入大歓迎です。
47 綾代
「す、すみません…」


カルマに指摘されて更に小さくなる。

あまりのタイミングの良さについ声が大きくなってしまった。

単なる偶然か。

…それとも?


「ありがとうございます、必ず連絡します」


メモを受け取ると大事そうにポケットへと仕舞う。

今度はきちんと声量を調節する。

さすがに同じ失敗を繰り返す訳にはいかない。


「鷹山はんも…?」


そう言えば彼も剣道を習っていたと聞いた覚えがある。

まさかの偶然の重なり。

これはいよいよ偶然で済まされない様な気がしてきた。

なんという幸運だろうか。

そのまま宜しくお願いしますと頭を下げる。
48 赤居 桜
「ん、あぁ、そうだな。」

和泉も、という小烏丸に対しそう言うと

「連絡楽しみにして待っているぞ。」

と、答える
全く……面白い事になった
まさか和泉と同じ道を歩もうとするものが出てくるとは

頭を下げる小烏丸の姿に和泉を重ねながら彼女は笑みを浮かべた
49 綾代
「じゃ、そろそろ行きますね」


もっと詳しく鷹山 和泉について知りたかった。

あくまでも好奇心ではあるが。

何故突如として彼は姿を消したのか。

仕事を教えて貰っていたこともありやはり自分なりに気になる部分もあるようだ。

しかしスマホのアラームが鳴り、我に帰る。

そう言えば今日は用事があったのだった。

…また後日、詳しく聞こうか。

軽く頭を下げてやや残念そうな表情を浮かべる。

このままだと間に合わないだろう。


「また連絡します!」


そう言い残すと慌てた様子で立ち去るだろうか。
50 小烏丸 拓海
「…まだまだ強くなれそうやな」


店を出てからポツリと呟く。

そのまま足を最寄りの駅へと向けるだろう。

今回の勝利により、彼が実力を付けたのは間違いない。

そしてやがては鷹山 和泉にも迫る力の持ち主となることはまだ誰も知らない。


「メンテ頼まないとなぁ…」


駅に到着し、ホームで電車が来るのを待つ。

その合間にLINEを雛田 一澄へと送る。

内容はガンプラのメンテについて。

今日は色々あった。

スマホをしまい、向かいのホームを眺めていると……。

鷹山 和泉らしき人影が雑踏へ消えていくのが見えた。

しかし彼はソレに気付くことはなかった。


第8話 END...