居候だった親友へ

まずはじめに、この姿の封印を解いた事とアンタとの会話を望む事を許して欲しい。

なあ、どうして？どうして未だにアンタが俺をそこまで愛してくれてるのか、俺にはわからない。
…あんなに身勝手な別れ方したのに。終わりまでグダグダで、絶対呆れただろうと思ってたから。

姿を封印してた間もアンタ専用に設定してた曲が街から聞こえるたび、どうしようもない気分になって胸の辺りが苦しい気がした。綺麗さっぱりに忘れるなんて無理だったのかも知れない。

だから今更『会いたい』なんて言うな、バカ。
……俺も会いたくなる。

けどまたアンタに負担ばっか掛けさせるんじゃないかと思うとそんな事言えなくて、…なぁ、俺はどうしたらいい？

アンタはどうしたい？
教えてくれ、…ア/ク/セ/ル。

寂しい響きだっていうのはよく分かるよ。…俺がアンタの立場だったら、きっとそう感じるてるから。

引き止めてくれるのは別に構わない。だけどその時俺はその手を取る事が出来るかわからない。
これからのやり取りで、俺の中で気持ちの決着をつけさせて欲しいんだ。その間に必ず答えは出しておくから。

期間は…そうだな。同棲しなくなった俺たちが街の路地裏で久々に会って、話して、夜になって俺が家に帰るまで。

…それでいいか？いいなら、人捜しの板にアンタの宛先を残しておいて欲しい。
俺の方から手紙、送るからさ。

最終的にどんな結果を出したとしても、それがお前の意思なら受け入れる。多少時間は掛かるかも知れないが…、自分にとってはいい経験になるだろうし。

だから、結論出す時は俺の事は考えるなよ。

此処の探し人板に宛先残しておく。時間帯は気にしなくていいから連絡が欲しい。待ってる。

ア/ク/セ/ルの判断は合ってたよ。あのまま話を続けても、きっと最後にアンタの手を取ることは出来なかった。

話してて気付いたんだ。俺、アンタの事も好きだけど…それ以上にあいつが好きなんだって。…だから。
気持ちがあやふやなまま話を続けても失礼だろうと思ってたから、それを気付かせてくれたアンタには感謝してる。

アンタは本当にいいヤツだった。優しかった。罵倒の一つでも浴びせられたって俺は文句言えないのに、そんな事言わず嘘でも笑ってくれた。

早く俺の事なんか忘れて、アンタを一番に愛してくれるヤツと一緒になって欲しい。これが俺の願い。

俺は今もこの先も、ア/ク/セ/ルを一番の親友だと思ってるよ。
無いはずの心、アンタの傍では有る気がした。沢山のものをありがとう。

…これで本当に最後。
バイバイ。

最後だから本音…言わせて貰うな。

会いたい、って思った事そのものが間違いだったと思う。
反応が返って来て、喜んでた自分も…相当の馬鹿だと思う。

言ってる事矛盾してるけど、大切な奴が居るなら会って欲しく無かった。

馬鹿は馬鹿なりに期待だってする。会って、聞いた俺も悪いけど、出来たらそうして欲しかった。今凄く虚しい。

…お前に少しでも期待しちまった俺が本当に憎い。言い方は悪いけど、無駄な時間だったと今は思う。

最後なのに悪口じみた事書き込んじまって悪いな。

けどこれが本音…。別れて正解だったろ？

もう綺麗事は要らない。お前って言う親友も。

これで本当に最後だな。

さようなら。