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1 紫荊の後輩

藍い策士へ

昨日…何故あのような文章を送ってしまったのか、自分でも理解出来ない。貴方を余計に苦しめるだけだと言うのに…すまなかった。

私が近付き過ぎた、依存し過ぎた、行動が軽薄だったのだ。
許せとは言わない…いや、許す必要などない。

だから……私から離れろ。
もう貴方に会わす顔がない。

既に覚悟なら出来ている。
貴方なら何れ、私よりも相応しい人に出逢える筈だ。

…最後まで身勝手で本当にすまなかった……それから…

今までありがとう………私の唯一。
21 策士
どうやら、地震があったようですね…大丈夫でしたか?怪我等はしていないでしょうか。

…いけませんね、つい先輩風を吹かす癖がついてしまったようです…決して子供扱いしているつもりはありませんよ?
…貴方の無事を祈っています。
22 策士
早いもので、あれからもう一年と六ヶ月も経つんですね…。

先日の手紙は無事に届いたでしょうか?
また以前のように事故が起きていなければ良いのですが…少々心配しすぎですかね。

念のためもう一度言いますが、前回伝えた通り…僕はもう怒っていませんし、貴方を恨んだり憎んだりしていません。殴ったりもしませんから安心して下さい。

ただ…何か悩み事があるなら、なるべく一人で抱え込まずに僕を頼って下さいね?
勿論必要以上に詮索はしませんが…相談くらい、いつでも乗ってあげますから。


…どうも言葉にしないと伝わらないようですから、直接言うことにします。

大好きですよ。
23 後輩
このタイミングで此処を覗いてしまうとは… 

前回送ったと言う手紙はおそらく届いている。
ただ時間がないだけだ…その間にもこうやって心配させているのかと思うと、どうしても自分に嫌気がさす。
 
今はわけあって一時的に連絡先を変えている…が、今までやりとりをしてきた連絡先が残っているならそれで届くはずだ。

それと……先輩風を吹かすのは嫌いではない。
寧ろそのほうが安心すると言うか…恋愛には不器用だからな。

また同じ事を繰り返すかもしれない。
それでも…戻って来ていいのか? 
 
…嫌いになるなど、出来るわけがない。
24 策士
全く、バカですねぇ…こちらが勝手に想像して心配していただけで、貴方が気に病むことは何もないんですよ?

貴方が多忙なのは承知していますし、急かすつもりもありません。
焦らずに自分のペースでやればいいんです。返事が来るだけで、僕は嬉しいのですから。

戻っていらっしゃい。
また同じような事が起こってしまったら…その時はまた、お説教して差し上げます。
それに、僕も手のかかる後輩は嫌いではありません。そういう子ほど可愛いですから…ね。
だから何度でも、世話を焼いてあげましょう。

ただし、次からは今回のようにギリギリまで我慢しないで、思いつめてしまう前に一言で良いから僕に言うこと。良いですね?