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意地悪な冬の人・・・

夢の中にいたままのほうが、偽りでも幸せなままでいられたのに・・・隣に貴方がいないことを承知していながらも目をさまして・・・・・・。


あんな言葉を残したのは、未だに捨てきれない貴方への気持ちが、自分でもどうしようもない位に重たすぎて、吐き出せばなんとかなると安易に考えてしまったから・・・。


貴方の顔を思い出す度に後悔ばかりしてるんです・・・
もう遅いのは承知だけれど、僕は、貴方との絆を断ち切りたくはなかった・・・・・・


都合の良いことばかり言って、ごめんなさい・・・・・・でも、今はまだ貴方の事を思って泣くのを、許して欲しいんです・・・・・・
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貴方の言葉をまた聞けるとは露ほどにも思ってはいませんでした。

今頃は、誰か別の人に寄り添っているのだと。
だから・・・僕はあの人に一言謝りたくて探す事を決めて。


それなのに・・・
もっと早く、そう言って欲しかったと思うのは我が儘でしょうか・・・・・・

貴方を忘れられる事などできなくて
『ほかの誰か』と出会う気になんてとても出来なくて。
毎日・・・毎晩貴方を思い出しては痛む胸に目を瞑って・・・・・・


僕だって、きっと貴方と変わらない・・・貴方以上に弱くて、ずるい生き物なんですよ・・・?
縋りついても赦されて、抱きしめて温もりをくれるのなら・・・誰でもよかったんです・・・


だけど・・・貴方だけは、何度も何度も繰り返し出会っては別れて・・・


一言。
今、貴方に言いたいのは一言だけ・・・
だけど、それを口にするには都合が良すぎて貴方を戸惑わせて困らせるだけでしょう・・・?
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私は…御前と離れて直ぐに此の世界から身を退いていた。胸に容赦無く突き刺さる後悔の念と、愛しいと感じる心を抑える為に。


だが、痛感した。
何時迄も、季節が変わってさえ御前の影は依然私の心に住み着き、御前が居ない事を知らせてくる。…余計に苦しく辛き思いをしただけに過ぎなかった。


―…御前の其の私に伝えたい一言とは何か、教えてくれ。

私は聞きたい、…御前の言葉が。御前の心が、聞きたいのだ。


私に聞かせて欲しい。…御前の心を。
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今一度、許されるなら・・・


僕は貴方に会いたいと。もう一度、貴方の隣にいっても許される存在でありたいと・・・・・

そう、思っています。
毎日毎日、もしかしたらいつか現れてくれるのではないかと期待して・・・
未だに変わらない僕の鳩に・・・・・・
貴方からの言葉が欲しいと・・・・・・。


それが叶えられないのなら、どうか想うことだけは許してください・・・
14 雪椿
最後に言葉を交わしてから、まだ数日しか経っていませんけれど・・・。

途中で途切れたままのこの状態が・・・・・・不安、です・・・。
また、飛ばした鳩が戻ってきてしまったら・・・と思うと、手放すことすら出来なくて。


お忙しくて、手が空かないだけ・・・なら良いのですけれど・・・・・・