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1 碧色の瞳の狸(オリジ)

春色の風を纏う、君へ

別に返事が欲しいとかで書く訳じゃあ無いよ。
大体、君が気付く筈もないしね?
ただこの場を借りたのは、簡単に流れてほしくなかったから。


…別れてから、何ヶ月経ったかな?
半年…かな。
僕は漸く新しい生活にも馴れたよ。
ただ、君が居ないってだけで結構違って来る…って言うのが正直な話。

君はちゃんと、仕事してる?お兄さんにも迷惑掛けてない?
って、僕が言うのも可笑しなハナシだね。


うん…えっと…
最近、ね、君と良く出掛けた場所に貰ったピアスを還しに行ったんだ。

そうしたら、不思議と君への遺ってた想いも全部昇華されたみたいに消えて行ったよ。

…本当に不思議だよね。


だからこれは、本当に最期のメッセージ。
届けなかった、最期の。


僕はね、別れたくなんてなかったんだよ。
君が大好きだったから。
でもね。ずっとあの人が好きな君を見ていたから、勝ち目は無いって知ってたよ。

僕を一番に好き、って言ってくれたのはとても嬉しかったけれど。


でも君は気持ちを履き違えてた丈。


だから、ね
今度こそあの人と幸せになって下さい。
僕はそれ丈を祈るから。

やっぱり友達には戻れなかったけど、それでも君のことを願うから。


だから幸せになってね、はる。


最期は笑顔で、だね?
…さようなら!