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1 金髪の掃除屋

白いカミサマへ。

きっともう交わる事はないんだろう、昔神様だったあんたへ。
直接なんか言える訳ねェし…これが最初で最期、この姿でぼやくのくらい許せよ。

あんたと道を違えて随分経つな。最後が六月だった、ってのだけはよく覚えてる。
未練はねェけど、ふとした拍子にあんたの事を思い出す。
あんたみたいに厄介な野郎はこれから先も現れねェんだろうな。
おかげで甘ったるいだけの愛なんか物足り無くなっちまった。あーァ、損した。

逢いに行けなかった理由、突き放した理由言い捨てとく。
全てを割り切れなくて頭弱って、体調崩してどうにもなんなかった。
最後の方は滅茶苦茶な態度取ってた覚えがある。
許せとは言わねェ。俺を恨めよ。忘れてくれりゃそれが一番いい。

あれからずっと、住所は変えてなかった。
残しておいたあんたの住所書いたメモも、やっと棄てられた。

どうしようもなく餓鬼だった。
今はもう過去になっちまったあの頃と、完璧じゃ無ェあんたが愛おしかった。


撮み食いは程々にしとけよ、あんた誑し込むの上手過ぎんだからあんま本気にさせてやるな。
俺が言えた義理じゃ無ェんだけど、相手がいたらお幸せに。
2 無名さん