1 VAN

寺山修司の詞について@

暇なので信長さんの作曲から感じられることも取り入れながらちょっと考察してみようかと。
実際の演奏にこれが生かせるかどうかはわかりませんが一緒に考えてみましょう。

「ある日」
まず、ある日っていう題名が難しい。そう思いませんでしたか?
途中で入るひまわりと日暮れは回想なんでしょうかね。過去形だし。これを指しているのかな。

寺山修司で母のない子に・・・となればやっぱり思い出すのは「時には母のない子のように」でしょうか?
カルメン・マキとか知らないですよね。時には母のない子のように〜してみたい、けど母のない子になったならだれにも愛を話せない みたいな詞です。ググってください。歌詞の中に母も海も旅も入ってます。

寺山修司とその母親の関係を考えてみることにしましょう。
彼は1935年、青森県弘前で生まれますが、9歳の時に青森大空襲で焼け出され、また同年出征していた父親が戦地で病死します。生計をたてるため、母親は米軍三沢キャンプにてハウスメードとして働き始めます。これがなかなかこわい母親だったようです。そんな母親の呪縛から逃れたいが、そう思ってもすぐにその心は母に引き戻されてしまう。虜ってやつですか。

母子関係ってなんというか一言では言い表せない、他では代えがたいようなところがありますよね。刷り込まれたものというか。だから母親にすら愛されなければ誰も信じることはできない。ただ孤独。

だいぶ脱線しました。

母とか本とか恋とかそれが教えてくれるものは何なんでしょうかね?自分ではこうじゃないかなと思うところがありますが、ここでは書かないことにします。

ある日の情景を浮かべつつ、考えてみてください。
2 VAN
寺山修司の詞についてA

「ヒスイ」
調べてみたらヒスイの原石は20g前後で数千円くらいでした。
糸魚川行けば手に入ります。
・・・なんかすいません。

ヒスイの方が理解はしやすいですよね。
第二連、緑・小さな大自然はともにヒスイを指しています。気になるのは『歌った石』と表現されていること。
その理由は第四・五連で明らかになります。
詞をみてみると第四・五連のみ過去形で表現されているのがわかります。ヒスイは高価で買えないけれどその代わりに言葉の宝石で二人の一日をかざろう、と。夏という季節と緑色のヒスイの輝きが貧しいけれど輝かしい日々を比喩しているのでしょう。美しい詞ですよね。まさに「言葉の錬金術師」のなせる技ですね。曲もまた吹きすさぶ風のようにメロディが流れていきますし。放っておいても名曲です。

考えどころは二つ。何に対してのなみだなのか。それからなぜ過去形なのか。
解釈の仕方はいろいろあると思います。例えばなみだを〜のところは現在で、目の前のヒスイから思い起こされたかつての貧しいけれど輝かしい日々に対しての思いを表現しているとか。現在は死別してしまって(だから遠い草原と表現している。)あらためて思いを馳せているとか。
それはともかく曲全体で表現されているのはヒスイに込められた輝かしさですね。

合唱なんだからきれいにハモらせたりするのはもちろん大事だけど、表現と発声は表裏一体な面があります。
詞ありきで作曲されることの方が圧倒的に多いですし。
同じフォルテでも曲によって場面によって受ける印象は全く違いますよね。

本番が近付いているからこそ、曲に対して詞からアプローチしてみるのも大事なことだと思います。

せっかく書いたので数人でも参考にしてくれたらうれしいです。
3 むーでぃ
♂ 27歳 新潟
 VANちゃん、詩の解説おつかれさまです。こうやって解説されたものを見てると、どういった方向性で歌えばいいのかの参考になると思います。
 また、この解説を念頭に置きながら曲の強弱や和音などを見てみると、作曲者が強調したいところや曲の歌い方がつかめてくると思います。
 ですので、クオリティーを上げるためにもちょっとした時間に楽譜を読むようにしましょう!
4 のん
はじめまして。今アンサンブルで「ヒスイ」を練習しているので、いろいろ考えさせられる内容でした。
私たちの中でも死別という意見が出たり、あるいは身分違いの恋で叶わなかったり…と、妄想力全開の意見がたくさん出ました(笑)
ちなみにわたしがなるほどと思ったのは「ヒスイ=きみ」という意見。ヒスイもきみも同じくらい遠くにある…だから、ヒスイを見るときみを思い出す。
新しいみかたですよね。いきなり長々とすいません。
とてもおもしろかったです。ありがとうございました。
5 合唱指導者、指揮者
色々な考え方がありますよね!
私の合唱団でもいろいろな意見がありました。
最後はバットエンドなのか、ハッピーエンドなのか、それに大きく
悩んでいる人もいました。
全員が一致した考え方を持つことで素晴らしい音楽ができます。
そのために今個人の意見を聞きながら考え方を近ずけていっています。