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11 無名さん
1:鶯_丸
春、枯れ池にて。
枯れ池を泳ぐ鯉を眺めていれば、その鱗に桜の花弁が張り付いていた。
天を仰げば快晴の空に舞う桜…よりも目立つ葉桜。新緑が眩しく煌めく良い日和に、この鯉は死んだ。…そう、我が手で散らせてしまったんだ。
…あゝ、何処ぞで見掛けた立て札だけさと思う者もいるのだろうが…できればそっと嗤ってやってくれ。


先ずは、この様な募りに足を止めてくれたことに感謝を。有難う…と。
何が何だと言わずとも上の一文に察しのついた者は少しばかり俺の話し相手になって欲しい。
死んでしまった鯉の話を聞いてからでも構わん。聞かずとも何かしらの話題でも。
ただ話をして気を紛らわせたいというのが本音であり、新しい水を得ることも鯉を飼う事も望まない。なに、暗い話ばかりをするつもりはないさ。
…いや、正直なところは分からんが言葉で頭の中を埋めたいんだ。
俺と茶を飲み、語らってくれ。…ただ、それだけだ。それだけで良い。

条件などと掲げるものも少ないが、此方の規約を厳守した主が二十歳を越えた女人であり、一週間から一ヶ月。受け身ではやきな、中から長文の遣り取りができ、帯が捨を所持しているものならば他に挙げるものはない。後は常識の範囲内と。遣り取りの終わりは退室か若しくは白い花を手向けるとしようか。
属性も恋仲の有無も不問だ。他の幸せを聞くのも癒しとなるだろう。そのお裾分けと思い話してくれ。

姿形に関しては、鶯/丸、江/雪/左/文/字、石/切/丸、にっ/か/り/青/江、太/郎/太/刀。
其方の姿は問わない。優遇冷遇も無いな。やり易い姿で頼む。
相手願えるならば、其方の姿と簡易な紹介なり何なりを添えて文を飛ばしてくれ。

なんとも簡素な立て札になってしまったが…どうか僅かながらでも手を貸して貰えればと。
一握りの救いを求めて静かに待っていよう。
2017/4/30(日)0:16

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