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13 無名さん
「ねえ、試してみない? 本当に拒絶されるのかどうか、あなたも気になるでしょ?」と。

「気にはなるけど……」
それを知るには、僕の臆病が好奇心に勝たなくてはいけなかった。
そして、今は、臆病の方が優勢だった。

「じゃあ、私と手をつないで試そうよ」
君は手を差し出し、にこりと微笑む。
「つないだだけじゃ、拒絶はないよ」
その手を僕は自分の手に重ねた。

「うん、わかってるよ」
君はにこにこと、続ける。
「でも、これなら、そんなに怖くないでしょ?」
「怖くないけど、なんだか、ちょっと……不思議な感じ」

僕の言葉に君は、その愛らしい瞳を瞬かせて。
「じゃあ、もっともっと、不思議体験しよ!」
「ちょ、ちょっとまっ……」

君が連れてきた場所、そこは僕と初めてであった、ごく普通の公園だった。
「次はブランコね!」
「え?」
君は僕の手を放し、立ち漕ぎでブランコに揺れている。
「ほら、君も!!」
しぶしぶブランコに座って、ゆっくりと漕ぎ出した。
「なんだか、星に手が届きそう!」
片手を伸ばす君に、僕は驚く。

とてもわからない