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24 無名さん
(薬漬けの口吻は彼の巧みさも合間って、スロースピードのシャッター越しに捉える世界に似、眼を閉じて居ても色彩が尾を引き流れて行く滲みをまるで掴んで居る様な融解の陶酔感に意識は沈んで行く。直ぐには離れたくない、積み重なる憂鬱を包み込む甘さ。奥深く迄這入り込む湿った有機は、少しの間煩わしい記憶を消してくれよう。