versus
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無名さん
続き→背骨を伝う彼の手に応えた風に、じんと下肢が痺れれば、ふと眉を寄せ。触覚は鋭く、然し判断力は鈍った己にも、これ以上は危険と想える瞬間で。もどかしく、身を捩る。鼻孔で息する互い、漸く重ねた唇をそっと離せば、酒の匂いの絡まった唾液が薄く尾を引くだろう。相手と共、鼻掛かり混じった吸気。足り無い酸素を補いながら、整った顔に蔭落として呟く彼に囁き返そう)
3/13 23:10