1 ジ／ェ／イ／ド(t／w／s／t)
10日間の約束(R20)
おや、奇遇ですね。こんな所でお会いするなんて。……そうだ、貴方ア／ズ／ー／ルを見かけませんでしたか？約束をすっぽかされて困っているんです。
ええ、いつも通り労働の対価を頂く予定でしたよ。仰る通り、契約を重んじる彼にしてはおかしな行動です。これまでも夕食を作ってもらったり伸びた前髪を切ってもらったり、僕の労力に比べれば可愛いお願いばかりでこんな事はありませんでした。
今回の対価ですか？僕は物欲も多くはないので、時々おねだりする程度なんです。ですから貯め込んだ分を少々精算しようと思いまして。端的に言えば、これから十夜、僕に身体を預けて下さい、と。…ふふ、その反応、これを聞いた時のア／ズ／ー／ルと同じです。従属など求めていませんし、あのペラペラとよく回る口で文句でも垂れて頂いて構わないんですがね。包丁もシザーも握らなくていいんです、簡単でしょう？なのにア／ズ／ー／ルったら、対価はその性質上支払う側が能動的であるべきで、そんな受動的なのは認めない、なんて言うんですよ。それが欲しいと言っているのに、僕にかける慈悲が些か雑に感じます、しくしく。
いやですねぇ、取って喰おうだなんて思っていませんよ。強いて言えば……そうですね、僕らは口撃での応酬が絶えません。一度心ゆくまで言い合って、騙して諭して焚き付けて、ついに許されたのちにじっくり観察してみたいと思っていたんです。10日かけて、その身体がつくり変わっていくのを。

そういえば貴方には貸しがありましたね。ここまで明かした事ですし、ア／ズ／ー／ルを見付けたら僕に知らせて頂けますか？幾つか目星は付けていますが、僕の予想を上回る可能性もありますし…何せ貴方は不思議な縁を引き寄せるようですからあやかっておこうかと。ふふ、こちらの話ですよ。
まず条件と特記事項ですが、難しいものはありません。