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37 無名さん
(ようやく辿り着いたとんがり山の頂にそれは鎮座していた——天空竜。白い巨体はよく見ればシルバーラメの入った鱗で覆われていて、それを村に持ち帰ればあの子の夢を叶えられると己を奮い立たせる。季節が一巡する程の道のりを共に歩んで来た宝刀ドラゲナイの刀身は所々欠け霞んでいるが、かの暴虐の化身を切り刻むには十分。一陣の風が吹き舞い上がる砂塵に、瞬間姿がくらむのを見逃すはずもなく)——くらえぇぇええ!!俺は帰ってあの子とネイルサロンを開くんだ…っ!!!