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4 無名さん
2:律の背後
―― 午前2時


何千年もの間、
何度も繰り返された
不本意な目覚め…

【…また、来たのか】

城の外にハンターの気配を感じ、微かにベッドを軋ませ、身を起こす。

『いい加減、無駄だという事に気づいてはくれないものか…(小さく呟き)』


ここ数百年、人を襲ってはいないというのに…

【いや、正確には出向いてきたハンターの中の数人…僕に変な気を起こした気色の悪い者は、確かに襲ったが…】

それでも、未だにハンター達の標的とされているのはヴァンパイアの宿命か……

なんとなしに考えつつ、慣れた事というように自ら出向くため寝室としている部屋を出て、入り口に向かう…
2016/1/19(火)22:01