40 無名さん
ふぅ〜。(深夜2時過ぎの公園。まだ秋に入りたてのせいもあって、この時間でも決して寒くはないが、誰も人のいない閑散とした空気の中で、一人の学ラン姿の中学生がベンチのそばでしゃがんでタバコを吸っている。油断なく辺りを見回しているが、時折吹く秋風が公園の樹木を揺らす音のせいか、或いは聞えない振りをしているのか、少年の背後から3人の若い女達がヒールでつかつかと石畳を踏みつけて鳴らす音には気づかず、辺りの地面を睨むばかり。)ふっ、今日は誰もいないのか、しけてるな。(少年がタバコを投げ捨てて腰を上げようとした瞬間、すぐ近くまで歩み寄っていた女達にようやく気付く)ん?何だお前たち。(終わり)