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47 無名さん
1 月/岡/紬
万/里くん、どーこだ
ここにはこんなにフライヤーが溢れてるっていうのに、わざわざ目を留めてくれたってことは……万/里くんに違いないね。フライヤーというか、もはやラブレターみたいになってしまったんだけど、もし良かったら俺の言葉に耳を傾けてくれない?少し長くなってしまいそうだけど、君と出会う為なら如何なる努力も惜しまないつもりだよ。そのくらい、俺は本気で探してる。まだ見ぬ万/里くんとの出会いを。……さて、前置きはこの辺にして。それじゃあ、早速だけど説明を始めさせて貰おうかな。

まず、何で万/里くんのことを探しているかって?俺と万/里くんなんてたまに一緒にカフェにいくくらいで特に大した接点があるワケでもないんだけど、俺はどうしても万/里くんともっと距離を詰めたいと思ったんだ。それは恋愛感情ではなくて、……うーん……何というか、摂/津/万/里くんという人間性そのものに惹かれている、といった方が正しいかもしれない。もっと君のことが知りたいんだよ、万/里くん。

俺はまだ万/里くんに恋愛感情は抱いていないし、抱きたいだの抱かれたいだのそういう感情は一切ないということは先に伝えさせて貰うね。ただ、これから一緒に過ごして言葉を重ねていくうちに、君にどういう感情を抱くようになるかはまだ分からない。俺自身、「最初から恋人で」っていう設定に違和感があって……だから、まずは劇団員以上恋人未満、というくらいの関係性から始めようか。そこからいずれ恋愛関係に発展しても、しなくても、とにかく俺の日常に万/里くんが居て、万/里くんの日常に俺が居てくれれば、どんな関係に落ち着いても構わない。

俺は万/里くんと長い縁にしたいと思っているから、毎日絶対に顔を出せなんて無理は言わないよ。君は気まぐれな所もあるし、互いのペースで言葉を交わせられればそれで満足だよ。つまり、ムラレスには寛容っていうこと。俺自身も、客演だったりバイトだったりの都合上、沢山話せる日もあれば挨拶くらいしか出来ない日もあるだろうしね。でももし万/里くんが「毎日話したい」と言うなら俺は無理をしてでも話すから、その辺の要望も聞かせて貰いたいな。