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49 無名さん
(最早茶飯事と化した戦闘を終え愛刀を片手に踵返し帰路を辿る事暫時、ふと違和感を覚え何気無く耳朶に触れては常時装着する装飾品の感触が無く無言の侭歩行を直ちに停止させ。徐々に湧き出す冷や汗と共に現状の整理を開始すると、漸く闘士たる証の自身階級表す無色透明の勾玉を紛失した事に気付き愕然と棒立ち。直ぐ様、我に返り先程の抗争場所に駆け戻ると既に他校生の姿は無く其処居合わす見知らぬ人物一人を一瞥、不躾を承知で問い掛けて)──…あの、すみません。この辺で勾玉…透明な勾玉を見ませんでしたか?