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67 無名さん
随分と必死なんですね。どうしても欲しいもの、譲れないもの……誰にだってあります。そういう執着、嫌いじゃありませんよ。むしろ分かります────えぇ、痛いくらいに。
(頭を垂れる男の姿に一瞬目を丸め瞬きながら、鮮やかな色の後頭部を見下ろす。丁寧な所作は必死さの表れか、それともこれまで何度もそうしてきた男の常套手段なのか。
何方にしても自身の身にも覚えがあり、余りの滑稽さに唇の端を吊り上げ片手で口元を覆い隠し。全面的に同意する言葉を投げかけながら腹部の奥底から湧き上がるのは言いようのない嫌悪感────苛立ちがいっそ笑いに変わり、くつくつと喉元が鳴って寒空に響くと周囲の視線も気に留めることなくゆらり、男の前に影を落とししゃがみ込み。
相手の手に己の其れを重ね、指の腹が浮き筋だった頸動脈から喉仏の真上に来るようにずらしてやり。まるでちっぽけな蟲を一摘みして潰すように、薄い皮膚の上からこりこりとした軟骨ごと片手に沈めてやれば薄暗く淀んだ瞳を細め、最後の慈悲だと言わんばかりに残る片手で後頭部を胸元へそっと抱き寄せて。耳元で囁く声はやや早口で責め捲し立てるようでありながら、甘く堕落を促すようでもあり前方からも後方からも優しく圧迫を押し進めていき)
あぁ、いけません。そんなコトでは死ねませんよ。中途半端にすると意識だけ手放してしまうんです。もっと上手にやらないと。……それとも、なんですか?実は死にたくない?死ぬつもりなんてない?
ふふっ……分かってます♡ハジメテだからやり方が分からないんですよね。大丈夫、私が手伝ってあげますから。

ねえ……苦しく逝くのと、気持ちよくイクのと。

どっちがいいですか────?
68 無名さん
ね、お願い、お願いだから…………、ね、一回……っ…、一回……!ちょっとだけ、でいいから、ね?わかるでしょ…?(銀色の美しいショートカットと白い肌の女性が、必死に言葉を積み上げてお願いをする。シーツを引き寄せて身体のラインを隠しながらも、そのシーツの横からはみ出る胸や腰のラインを隠し切ることはできない。普段は気だるげに、どこか周囲を見下したような視線は見る影も無く、何かに怯えるように首を横に振りながら。……そして、相手の顔色を見ればその表情は更に引き攣って。)……解った、解ったから。アンタが言いたいこと、わかってるから……っ!だからちょっと、休ませ、てっ……!ほら、これで……これで、いいんで、しょ………っ!!(ぐちゃぐちゃに乱れたシーツの上で、一糸まとわぬ土下座。ベッドの周囲に散らばった”道具”の数が、遊び半分で相手の願いを聞き入れた彼女の心を折った数。普段なら絶対にしないことを即座に決断させた数時間。)………こ、ここまでやったんだから、もう止め、……ぇえ…っ♡(ぬちゃり、と指が伏せられた尻を滑り、ひっそりと隠されたもう一つの孔へ。指を折り曲げれば、ひぃいい、と情けない声をあげながら女は土下座から腰を無理やり持ち上げられて。)……ぁ、ああぁっ♡なんで、なんで、よっ、謝ったじゃ、なっっ……♡♡お願い、聞いて、あげた、のにっ、なんでっ♡(涙声で首を横に振るも、火のついた男が止まるわけもない。まるで、子供の尻を叩いて躾けるかのように、手のひらが何度も分厚い尻肉に叩きつけられ、そのたびに情けない、甘い声が部屋に反響する。指が杭のように何度も突き立てられて、悪を謳う女が焼かれ、涙がぽろぽろとこぼれ落ち、尻を痙攣させる。)…き、刻まれた、刻まれた、からっ…♡ ゆるし、っ…ゆる、っ………(がば、っと転がされて仰向けにさせられると。今度こそ男の手は女の首にかかる。もう何度目なのだろうか、頸には赤い痣が残ったまま。)そ、それやめ、それダメ……っ♡ダメになる、か、っ、っ………♡♡(きゅ、っと頸に指が食い込んで、同時に身体の中にもまた食い込んでいく。意識が次第に白くなり、体の中へと突き刺さった大きな杭のことしか、脳の中に残らなくなっていく。)