7 無名さん
40 :及川徹
そうして黒ちゃんは、自分の感情をコントロールするために、新しい人格を生み出す。苦しさも、痛みも、感じる対象が「自分」ではないと意識を逸らす為に。それは、木兎くんがかつて現実を見ないように殻に閉じこもったのと同じこと。あの時は結局全てを主人格の黒ちゃんが負っていたけれど。もう君が休んでもいい頃合じゃないかな。今にして思うと本当に君自身が関わる人ってろくな運命辿ってないね。何、黒ちゃん下げチンなの?聖人に成れないと嘆いた時も、不毛にも珈琲を煎れ続ける事も歪んで育った黒ちゃんには仕方のないことだったのかな。いいんじゃない。かつてあの人がそうだった。複数に別れた俺達の中で「幸せになれない人」ってひとりぐらい居たものだよ。黒ちゃんはあの時のあの人に似ているね。全てを背負っているのに、結局は何も手に入れていないんだよ…………あぁ、でも。そうだね、ひとりだけ。親友がいたっけ。あら不思議。今と同じ状態だね、黒ちゃん。どんまい。どうしたいのかは、黒ちゃんはもう決めた。どうあって欲しいかも、ちゃんと口にした。けれど、その結果を受け止めるのは、黒ちゃんじゃない。こんにちは、新しい君。今日から宜しくね。
あは、はは、あはははっ!あー!そう来たか!それは、いや、流石……っく、ふふふ。流石黒ちゃんの幼馴染なだけあるよ。嗚呼いっそ清々しいんじゃないかな?そうこなくっちゃね、寧ろ。楽しみだよ、これからが。
本当の愛を言うもの、教えてあげようか。
そうして黒ちゃんは、自分の感情をコントロールするために、新しい人格を生み出す。苦しさも、痛みも、感じる対象が「自分」ではないと意識を逸らす為に。それは、木兎くんがかつて現実を見ないように殻に閉じこもったのと同じこと。あの時は結局全てを主人格の黒ちゃんが負っていたけれど。もう君が休んでもいい頃合じゃないかな。今にして思うと本当に君自身が関わる人ってろくな運命辿ってないね。何、黒ちゃん下げチンなの?聖人に成れないと嘆いた時も、不毛にも珈琲を煎れ続ける事も歪んで育った黒ちゃんには仕方のないことだったのかな。いいんじゃない。かつてあの人がそうだった。複数に別れた俺達の中で「幸せになれない人」ってひとりぐらい居たものだよ。黒ちゃんはあの時のあの人に似ているね。全てを背負っているのに、結局は何も手に入れていないんだよ…………あぁ、でも。そうだね、ひとりだけ。親友がいたっけ。あら不思議。今と同じ状態だね、黒ちゃん。どんまい。どうしたいのかは、黒ちゃんはもう決めた。どうあって欲しいかも、ちゃんと口にした。けれど、その結果を受け止めるのは、黒ちゃんじゃない。こんにちは、新しい君。今日から宜しくね。
あは、はは、あはははっ!あー!そう来たか!それは、いや、流石……っく、ふふふ。流石黒ちゃんの幼馴染なだけあるよ。嗚呼いっそ清々しいんじゃないかな?そうこなくっちゃね、寧ろ。楽しみだよ、これからが。
本当の愛を言うもの、教えてあげようか。