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74 無名さん
(……どーにも、眠れねえ。カルデア内の暖房の不調で少々凍えているのもあるが…暦的には満月。いつもこの日は、どうしてか眠れない。俺はいつから人狼擬きになったんだ?……などと、ぶつぶつと呟きつつ着込んだ装いで早朝の静かな廊下を歩いてゆく。眠れないならこうして歩いていた方が気が楽だ。どっかの自販機でココアでも買って…と考えていると、自分の向かう先にはどうやら一人、先客がいたらしい。自販機の隣に設置されたベンチに腰を預けている、病的なまでに色白な黒い方の聖女。…何かと自分に突っかかってくる、刺々しい態度の貴女。……眠れないのはコイツも同じか。貴女に横目を向けつつ、お目当てのココアを購入。それから貴女の隣へとドカッ、と腰を下ろせば。)
……お前も眠れねえの?
(…カシュっ、プルタブを開く音を響かせつつ話し掛けてみて。)