(〇〇君と付き合い始めて数週間。始めて男子を自分の部屋(寮の部屋だけど…)に入れ、何を話したら良いのか分からずかれこれ10分程も沈黙が走る……。
こう言う時普通の人はどうしてるんだろう……？何で突然来たんだろう…？何をしに……？もしかしてあんなコトとかしちゃうの……？嫌われない………かな………。
一瞬のうちに、まるで走馬灯のように頭の中でいろんな思考がぐるぐるぐるぐる。そうしているうちに、やがてとある疑問が頭の中に浮かんで思考が止まる…。
中学の頃に髪を燃やされて背中にできた火傷痕……。大きな火傷だったせいで、火のついた箇所の色素は死んで赤く変色し、医者には元の肌色には戻らないと言われた…。まだ、〇〇君に言っていない隠している事がいっぱいある…。それをいつまでも隠していることは、多分、きっとできない。それを言う勇気が無い自分が心底嫌になる…。でももし……火傷の事を知られた時、気持ち悪いと思われないだろうか……。不安になってくる……。
涙が溢れてくる…。このままじゃダメだ……〇〇君の声が聞きたい……。例え受け入れてもらえなかったとしても、今だけは「大丈夫」だって言って欲しい。
隣に座る〇〇君の服の袖を無意識のうちに引っ張って、涙を浮かべた瞳を向ける。突然泣き出して変って分かっていても、〇〇君への気持ちが抑えられなくて、無言のまま〇〇君の胸に飛び込む様に抱きついた…。)