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91 無名さん
「 嫌っ…やめて、か、返してください…っ!!」


( 部活が思ったよりも長引いてしまった所為か、既に日は沈み 建物の明かりを頼りに歩くしかなくなっていた。携帯の時計を見れば 時刻は午後8時を過ぎていた。門限が定められていないとはいえ、こんな時間まで出歩いているのは不味い。取り敢えず近くのコンビニで夕食を買って帰ろうと考え、家に近いコンビニに向かうと 運悪く不良の集団に遭遇。そして今に至る。

どうして1番絡まれたくない時に こんな柄の悪い男達に絡まれてしまうのだろう。自分は熟運の無い奴だ、コンビニならここの他にもあったはずでしょ、私の馬鹿馬鹿馬鹿…と自分を責めながら、鞄の中から勝手に奪われて 自分の手の届かない高い位置に上げられた自分の白い財布に背伸びしながら手を伸ばす。手を伸ばせば伸ばす程、その財布はもっと高い位置まで持っていかれる。返して、と必死に訴えながらぴょんぴょんと飛び跳ねるが、周りを囲む男達の揶揄うような笑い声が聞こえて自然と目に涙が滲み、きゅっと唇を結んだ。
届かなくて仕方ないじゃないか。背の低い自分に比べ、周りを囲む男達は皆そこら辺の塀より高い。そんな奴らに見下ろされて、嘲笑われ、必死で財布を取り返そうとする私を蹴り飛ばした。鞄は遠くへ投げられ、中に入っていたノートや画材が鞄の外へと散乱する。強い蹴りを食らって倒れていた私に数人の男が 更に追い討ちをかけるように拳を飛ばす。腕で必死に頭や顔を守っていたけれど、女でも手加減はしていないようだった。
降りかかる暴力に嫌な記憶がフラッシュバックして、息が詰まるように苦しくなり、体が震えて涙が溢れ出て頬を伝う。恐怖と どうしようもない悲しみに支配され、自然と口から零れ出たのは 学校からの帰り道でいつも会っていた彼の名前だった。)

「 い、やだ…いたい、っうぅ……、は、半間…さん……っ 」

自分もこんなロルが届いた
虐待トラウマ持ちで腕を上げるだけで怯える創作で不良相手なのにどうしろと思った