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92 無名さん
【続2】

私にとってそれは毎日繰り返される日常で普通の事で あった。 あの人が初恋である私は、あの人がすること言うこと 全てが“普通”であると思っていたから、同じことをし た。 この“閉鎖空間”の中にいるとそれが普通でなくとも普 通なのだ。

――あぁ、ようやくあの人が帰ってきた…

私を呼ぶあの人の声――そのテノールの旋律を聞いた瞬間に私の瞳は無異質な ものへと変化する。 そして、あの人を迎えるとその腕の中に身を寄せてこ う囁くのだ。)

お帰りなさい… 会いたかった――

(それは、私があの人に教え込まれた偽り―。 埋め込まれたあの人の全ては全てが偽りである。 しかし、この閉鎖空間の中では偽りさえも真実だ。 だから、私の中に咲き乱れるあの人への想いも、もし かしたら偽りなのかもしれない。 けれど、それはどうでもいい事だ。 私が今この瞬間に愛してると思ったらそれが真実―。 あの人と私の間に存在するものが例え純粋なものでな くとも、偽りで固められたとのであっても、私達には それが全てで真実なのだ。

――さぁ、今宵もあなたに捧げましょう 私の体も心も全てあなたの満足するままに…)

“アイシテル――”


………小説ロル、萎えにしてたのに初っぱなからこんなものが送られてきた……応募のロルは普通だったのになぁ……