Write
1 カタリ屋

水色砂時計の君へ

 
これを、君が見ている事を祈るよ。
少しだけ、君の事を聞いた。
…大変な状況、とでも言うのかな?

君は僕に語ろうとしないから、
君の今現在が語りなのか…
それとも騙りなのかは分からない。

だけど、強いて言うなら一つ。
…少し退屈かな。

君とは色々語り合いたいと思っていて、
だが、何通と気遣いのメールはかえって
君に負担を掛けてしまうのではないかと
思ってね。なかなか第二歩に躊躇うよ。

せめて、此処に言の葉を残さないと…
気になって仕方無い位、動揺している。

気遣いの言葉は時に重い。
想いは重く鎖の如く。
巡り巡るは言の葉連鎖。
言の葉で始まった事の端は、
言の葉に乗せる想いに囚われる。

ちょっとした、カタリさ。
これが語りか騙りかは君の一存次第。

願わくば、
どうか僕が君の枷にならぬように。
どうか君が僕の言葉に囚われぬように。


ちいさな ちいさな きみ。


彼は君を思う。
想う、ではなく…思う。
そうして君の帰りを待っているのさ。
薄暗い森の奥、時計屋の古椅子で。
月日が経っても彼には意味を成さない。
怖いのは、忘れられる事。
君に、忘れられてしまうこと。

もしも彼に逢いに行く余裕が出来たら、

謝罪の言葉ではなく、
『ただいま』と言って欲しい。
それだけで君を待った時間は救われる。


最後に、僕は代理だよ。
…時計屋の、ね。


(スペ感謝)
57 無名さん
(; ・`д・´)
58 無名さん
(; ・`д・´)
59 無名さん
(; ・`д・´)
60 無名さん
(; ・`д・´)