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1

春へ

…どうか彼が気付かないように。


今、どこにいますか
オレはここにいます
ちゃんと、待ってる

帰って来なくて
もう、いいかも

精一杯愛した
…、愛された

なぁ、あんたはオレを
見てた?感じていた?

…わっかんねぇよ
愛してる筈
けど
わかんねぇ


いらねぇなら、今切って。

今なら泣かねぇよ。
……あぁ、マジで。

呪咀に囚われんな。
馬鹿に見えるから。

…お前、オレを好きでいてくれたけど
全く愛してはくれなかったよな………。
2
…クリスマス、一緒に過ごしたかった。
大晦日にはオレら、別れてるかな?
初詣、行ってみたかった。
来年の花火、見たかった。

元気してんなら、いいや。

好きだし、愛してる
お前がそうじゃなくても。


たった一つ、鍵を残す。小さくて薄っぺらで。オレを本当に知ろうとしていれば漸く分かる、かすかなもの。
『子ども』
オレにしかこの鍵は出せない。お前すら、出せない
そしてこれが鍵になるとお前も思ってないだろう。


オレは代理。秋生まれのあいつの代わりの。
3
なぁ、冬だよ。オレとお前の間の。
冬は寒ぃよ。だから体寄せて歩くんじゃねぇ?
…なぁ、お前がマジ遠い。

触りたいしむしろ抱き締めたい。 
…すげぇ健気じゃん、オレ。 


離れた此処から 
お前を想ってる
4
バイバイ、春。気付かなかったな、お前。
…そりゃそうだ。世界も口調も全部違う。オレはどっかの風紀委員長さんの代理人。
ま、気付かないだろうけどな。

恨んで良い
オレら、合わなかったんだよ、きっと。
すれ違うくらいの仲だったんだーって思っておく。

…えーっと…
あ、ブログだけ残ってる。まだ怖いっつーか…
うん、そういうこと


…春生まれ。桜。桜が一番綺麗に咲く頃に生まれたお前。
オレ、お前が好きだから突き放したつもりだったけど、力加減がわかんなかったみたいだ。自分を責めるなよ。オレを責めていいから。

…じゃあな。バイバイ。大好きだった。今でも、大好きだ。