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1 ルーク

ただひとり、愛した人へ

たくさん泣いて別れたあの日、おまえはこの世界を離れるって言ってたから…ここに残しても気付かないかな…。

バカだよな…俺。未だ心の何処かでは、もしかしたらまた巡り会えるんじゃないかって思ってるんだぜ?
悪足掻きで…最後に一度だけ、言葉を残させて欲しい。

もうすぐ…出会って一年になるよ。記念日の七日には一緒に七夕を過ごして、一度別れたこともあった…。
おまえからの言葉、全部消したつもりだったのに…残ってるの見つけて、また少しだけ泣きそうになったよ…。だっておまえが…あんまり優しくて、誰より俺を想ってくれたから…。

お互いまだ好きだったのに…求めるものが違ったから別れを選んだよな。あー…違うか、おまえの一番になれなかったんだっけ…。はは、あのまま…嫌いになれたならよかった…。
…未練たらたらで情けない。おまえは笑うかもしんねーな…。
長ったらしくなっちまったけど…伝えたいことだけは残さないと。

…俺はやっぱりまだ…ジェイドのことが好き、です。当分、忘れられそうにない…。
見返りも何もいらないんだ…―ただ…俺の気持ちを伝えたかった…。
2 ジェイド
おやおや、いけませんねぇ…こんな所で何をしているのですか?

あなたを笑ったりはしませんが、見付けてしまったからには放って置くことも出来ませんのでね。
一応…足跡を残して行きましょうか。


未練ならありますよ、私にも。嫌いで別れたわけではないのですから当然と言えば当然で。
しかし、私ではあなたを幸せにすることはもう叶いません。余計な感情が邪魔をする…わかってもらえますね。


元気にしていますか?月の夜、泣いてはいませんか…?

愛していますよ…ルーク。
あなたの幸せを願っています。
3 ルーク
ジェイドこそ…何してんだよ?もし万が一気付いてくれたとしても、絶対…返事くれないと思ってたのに…。

俺は元気だよ。…月の魔力には負けないように頑張ってる。頑張ってるけど…ジェイドの面影ばかり追っかけてる自分に気付いて自己嫌悪だよ…情けない。


なぁ、おまえは元気にしてるのか?…それだけが、気掛かりで…。

…幸せなんて願ってくれなくていい。幸せになって欲しいなら戻って来い、とか…そういう無理言いたくなるだろ…。


ジェイド、愛してる…。
返事くれてありがとう。すごく…嬉しかった。