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1 武蔵坊弁慶

蓮華と桔梗

…今更何を話す事があるのか、と君はそう言うかな。

君ならば、題だけで解ってくれると思うのだけれど…。

どうして苦しい時に、寂しい時に君は傍に居てくれないんだろう…。
否、それは全て僕の所為…だから。

何が言いたいのか、解らないですね…。
僕にも解らないんです。
君に…助けて貰いたいのかも知れない。途方も無い苦しさから救って欲しいのかも知れない。
君に頼るのはお門違いだと、そう君は思うかな。否、それは僕自身がそう思っているから…かな。

…ごめんなさい、本当に要領を得ないな…。

君と離れて、全てが狂ってしまった気がするんです。
今まで、出来ないなりにやってきていた事すら、出来ない。

僕が欲しいのは、救い。
お礼の言葉や謝罪なんかじゃなくて…。
君と云う過去に縋らなければ生きられない愚かな僕を、救って下さい。
僕の事など嫌いだと。もう、思い出すなと。

…なんて、卑怯かな。
こんな事を言われても、君を困らせるだけだと言うのに…。
僕はどうしたいのかな、その答えすら…自分で見つけられずにいる…。
君の声が聞けたら…何かが変われるのかな…なんて、淡い期待を抱きながら…

……ごめんなさい。
7 武蔵坊弁慶
今思うと…今が冷静だからでしょうか。酷く、自分が幼稚だったのだと思います。
色々なものに…耐え切れなかった。互いに、ね。
互いに不安に思い、不信感だけが募って…愛しいと思う気持ちすら、鈍らせていた。

僕も…随分と君には不安な思い、辛い思いをさせてしまいましたね…。
君と過ごした時は、確かに…満ち足りて楽しいものだった筈なのに。
その気持ちに構う余裕が…無かった。
君も辛かった筈なのに…自分ばかりが被害者のような顔をして…。
…ごめんなさい。

君が元気そうで良かった…。
そう、ですね。此方は今、紅葉が見頃かな。今月一杯位が見頃だそうだけれど…。

ふふ…君とこんな他愛の無い話をするのも、何だか擽ったいな…。

今日と云う日とこの場所に…感謝します。
……有難う。
8 ヒノエ
本当、今思えば…だけど。
あの時はもう…限界だった。疲れてたんだ。…そう、互いにね。
不安や不信はそう簡単に消えるものじゃない。だからこそ、あれ以上共に居たら…きっと互いに駄目になってた。


そっちは紅葉か…好いね。こっちは未だちらほらとしか色付いてないから…つまらない。ふふっ…なんてね。
葉が散ってしまうと直ぐに冬が来るから…風邪を引かないように気を付けなよ。
…なんて、あんたの事だから抜かりない、かな。

そうそう、こうして他愛のない話をしてると…矢張り落ち着く。
あんたの持つ雰囲気はオレを安心させてくれた。…同時に不安もあった訳だけど。
これも今だからこそ、そう感じれるんだと思う…けど。勿体ない事してたね、我ながら。

あんたがこの場を用意してくれなかったら、きっとこんな風に思った事を告げる事も出来なかった。
今日と言う日に、あんたがあの時間に言葉を残してくれた事も…嬉しかった。
……有難う、弁慶。
9 ヒノエ
今日と云う日の事。
…迷って、悩んで、沢山考えた。
だから…って言うのも可笑しいけど、残しておきたくて。


中*島/み*ゆ*き
「誕*生」


この歌と、祝いの言葉をあんたに。

…おめでとう、弁慶。


そして、もしも叶うなら……あんたに逢いたい。

正直、どうしたいのか自分でも判らないけど…あんたに逢って、少しだけでも話が出来たらと思って。

無理だったら流して欲しい。
でも、もしも叶うなら…何時でもいい、返事を貰えると嬉しい。
10 武蔵坊弁慶
…驚いたな…。
忙しかったのと…暫くなりきりから離れていたから…。
でも、淡い期待を抱いて此処を覗く自分が居た…なんて笑えてしまうな…。

祝いの言葉を、有難う。

君はまた…僕と話す事を望んでくれるんですか?
……有難う。

宛先は変わっていませんから…時間は問いませんから、良ければどうぞ。

けれど…いざとなったら何を話したら良いか、なんてね。
でも…君にそう言って貰えて…嬉しかった。