Write
1 千秋

そらへ

鍵>>狐と歌うたい。
そら以外はここに立ち入ることは許さない。


そら、ずっと言いたかったのはあんな言葉じゃなかった。
信じられなくてごめん。
それでもまだ愛しててごめん。

好きだよ。
強がりで意地っ張りで弱音なんか一度も吐いてくれなくて無理ばっかりしてたお前が。
いつも笑顔でにこにこして、くだらねー俺の愚痴なんて聞いてくれちゃって不満にうなずいてくれて頑張らなくていいと言ってくれたな。
俺は一度も頑張ってないのに。
頑張ってたのはいつだってお前だったよな。

俺がどんな暴言吐いて八つ当たりしたって、浮気してそれを隠さず見せ付けたって、乱暴に抱いたって、
一度だって泣かずに許してきてくれたお前があの日さ、
もう無理だっつって泣くのを見て俺自分が何しちまったのかやっと分かった。

許してくれなんて言えない。
それでもやっぱりまだ愛してるんだ。
攻めみてーに意地悪なこと言いながらさりげない天然なとことか…天然っつったら怒るよな、可愛い…も怒るよな。でも本音だ。
可愛くて可愛くてめちゃくちゃ大切だった。

ここ見てるって前言ってたよな、もし見てるなら声を聞かせて欲しい。
3 千秋
こんにちは、小鳥さん……か。
応えてくれて嬉しかった。お前のその独特の間とか言葉の選び方とかリズムとかがさ、すげー懐かしいよ。
いつだって心地よいと思ってたんだ。本当に嘘じゃねぇ。

やり直したいなんて俺は言えないし言っちゃいけねーって分かってるけど、どうしても俺はお前に傍にいて欲しい。
お前はもう前みたいに待ってくれないのも待ちたくないのも分かってる。
でももしまだお前の傍に誰もいないならできるまででいい、俺がいたら邪魔だろうか。
終わりたくないんだよ、そら。
好きなんだ。
4 千秋
そら、頼むよ。
いつか約束した海に行こう。なぁそら。
頼むからもう一度だけ。
5 千秋
そら、黄金週間は楽しめたか?
お前のことだからどうせまた仕事漬けなんだろ。
帰ってきて欲しいんだ、会いたいよそら。
6 -